グーグルで「つるかめ算」と入力し、画像検索をかける。
すると、以下のような面積図がずらりと並びます。
ほとんどの算数指導者がこの算術に関しては、面積図を前提として教えている。
このような「つるかめ算=面積図」となってしまった現状に対して疑問を感じます。
A: 50円玉と100円玉が合わせて10枚あり、合計金額は750円です。50円玉と100円玉はそれぞれ何枚ありますか。
この問題を小3~小4に解説するとしましょう。
さあ、面積図で解こう!といきなり教えるのが最低ランクの講師です。
まずは自分で表をつくらせて(つまり書き出しを行う)、正解になる枚数を当ててもらう。
その次に「時間がかかったね。この解法はどうだろう」と誘導してから面積図を指導するのであれば普通の講師かな、と。
(わたしはこの導入方法を好みませんが)
ところで、つるかめ算のほかに、受験算数の世界には、弁償算とよばれる計算法があることはご存知でしょうか。
B: ある品物を運ぶと30円もらえる仕事があります。しかし、運んでいる途中で品物を壊してしまうと、30円がもらえないばかりでなく、80円を支払わなければなりません。今回 100個の品物を運んで、1460円貰ったとすれば、運ぶ途中で何個壊してしまったのでしょうか。
見かけはまったく違うように思えますが、実は、Aの問題とBの問題は本質的には全く同じ問題です。
Bに関しては、表にして当てていくということも考えられますが、多くの算数講師なら「もしもすべてを運ぶことができたのであればいくらになるだろう?」という質問をするはずです。
「もしも・・」と仮定された状況を考える。
大げさにいうと思考実験です。
仮想世界の可能性です。
すべて運ぶことに成功したのであれば、3000円もらえたはず。なのに実際に支払われたのは1460円。一体何が起きたのかを思考させ、30円の利益と80円の損失における110円の差を考えるわけです。
この問題には面積図はかきません。(描くこともできますが、とても難しい図になります。)
私はAの問題とBの問題を区分けせずに生徒に教えたい。
優秀な生徒ほど各単元の知識を有機的なつながりのなかで理解しているからです。
だから、彼らは忘れない。
つるかめ算、弁償算、~算、~算と解法を1つ1つ暗記して、それをパターンプラクティスするのは、このAI時代においては馬鹿げた教授法です。
Aの問題ならば、仮定を考えてもらいます。もしもすべてが100円だったら、いくらになるだろう?そこから100と50を交換させて考えてみれば?あるいは、もしもすべてが50円だったらいくらになるだろう?
こう発問すれば、ツルカメ算と弁償算との区別が子どもたちの頭のなかではなくなります。~算と解法暗記することなく、同じ思考方法をとる小4後期・小5前期の「差集め算」にも応用が利くのでしょう。
さて、こうして書いてきましたが、実は「面積図」は上記のような仮定の発想がどうしても考えられない思考力の貧弱な生徒への「補助輪」であったのです。最終的には頭の中で、つまり式だけで解いてほしいが、いまは便利なこの道具を使おうぐらいの意味合いです。
それがいつの間にか、仮定を考えずに(=「思考力」を鍛えずに)ただ単に図を描いて、「あら不思議!答えがでたね」という単純な作業に堕してしまったというのがいまの多くの生徒の現状なのでしょう。
下記のようなイメージの図をかかせれば、どのレベルの生徒でも自然に式だけで解けるようになります。
きちんとした参考書にあたれば、真っ当な解法が載っています。


