このグアムの事件の実行犯が脳内で聞いていたのは電波操作による声か精神疾患による幻聴で間違いない。ここまでの流れの中で、それが電波によるものだと示してきたが、実は、この裁判の中では幻聴自体も否定されている。

 

She testified that De Soto satisfied two of the prongs of Guam's insanity defense, namely that he didn't understand the wrongfulness of his actions and he didn't have a rational understanding of the situation in which he was involved and the consequences of his actions, but that he had some control over his actions.

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この証言はこの犯人を診断した臨床心理士によるもので、彼女は犯人が正気を失っていたことを否定している。つまり、彼は間違った行動をしていると理解できない状態ではなく、また状況の中で合理的な行動を失っていたこともなかった。この二つが重要なのは、彼は法的に責任能力があると認定できるからである。

 

ただし、事実的には声が存在している。ここに二律背反的な状況が存在している。頭の中に声が聞こえるような精神疾患状態であれば、正常に物事を考えることは出来ない。それは声が聞こえるほど脳の繋がりが失調しているからであるが、同時に、その声に引きずられて普通に考えられないからでもある。それでも精神疾患ではないという結論になったのは、彼の思考プロセスが合理的だったからである。これは通常の精神疾患の枠組みを超えている。

 

She generated a clinical record of De Soto for the period between February 14, 2013, and March 13, 2013, and diagnosed him with major depression, generalized anxiety disorder, and a personality disorder due to challenged coping. In her observations, however, his thought processes were logical and organized,and he did not display evidence of hallucinations or delusions.

 

以上の証言も同じ臨床心理士によるものである。彼女曰く、犯人の思考プロセスは合理的であり、整合的であり、幻聴を聞いていた証拠が一切ないとしている。つまり、精神的には参っていたが、病気のレベルには至らなかったため、多くの被害を出した殺人事件に対して責任能力があるという結論になっている。

 

これを別の角度から説明すると、脳内で幻聴が聞こえている状態であれば、到底、合理的な思考は出来ず、彼はそういう状況にはなかったという結論にもなる。ここで唯一可能なのは、電波操作で声が届けられたという答えだけである。

 

ただし、他にももう一つだけ可能性がある。それは犯人が嘘をついている可能性である。しかし、そうであれば、どうして犯罪を実行したかからもう一度調べ直す必要が生じる。この犯人は悪魔に命じられ、永遠の地獄の中で一日の休みを得るために、この犯罪を実行した。犯行の根源は脳内の声であり、それが幻聴であれ、電波であっても関係ない。

 

淡路島の事件はほぼ同じような形態であり、脳内の声こそが犯行の要因であるにも関わらず、裁判の過程ではその声が邪魔になるため、ほぼ無視されている。幻聴は脳が著しく悪化している証左である。幻聴が聞こえていれば、それだけで合理的思考が出来る状態にないのは明らかである。

 

しかし、声が電波で届けられていれば、全てが説明できる。それは幻聴とほぼ区別は付かないが、一方で精神疾患に陥っていないため、思考は依然として合理的である。逆に言うと、そのような状況こそが電波工作の存在を示唆している。つまり、このグアムの事件も電波操作こそが本質的な要因である。