以下は「対少子化政策の論点」第9章から抜粋。

 

 

男性の育児休業取得状況

 

子育て支援制度の中で、極端に利用度が低いものが男性の育児休業取得である。この利用状況が低いのは文化的・社会的要因によるものである。端的に言うと、男性が育児休業を取得するのは依然としておかしいことだと思われており、その結果として、利用状況が極端に低いのである。

しかし、その同じ文化的・社会的要因は女性の育児休業取得にも抵抗感を生み出している。これらの背景的要因を変えるのは難しいことかもしれないが、男性は育児休業を取得することによって、仕事と子育ての両立を志向している女性がおかれている現状をより理解することができるようになるだろう。また同時に、男性は家庭における母親が果たしている役割についても、より理解する機会を得ることができる。

少なくとも、社会全体の子育てに対する考え方は変革する必要がある。それは子供を産み育て易い国を目指す一里塚であり、それは少子化問題の解決へと繋がっている。男性の育児休業取得は考え方を変革するための重要な手段である。それ以外にももちろん方法があるだろうが、父親が育児休業を取得するというのは社会全体の追加コストも低く、男性が社会全体の子育てに対する考え方を深く考える機会にもなる。もっと多くの父親が育児休業を取得すれば、もっと多くの父親が育児休業を取得し易い社会になり、ひいては母親が現在抱えている負担も軽減されることになる。