米を油と一緒に炊くと、白米の粒が立つようになる。それは油がアミロースの間に入り、米の糊化を抑制するからである。実際に見た目からでも米の粘性が落ちているのは分かる。また、炊き上がり後の白米は少し硬くなっており、それはレジスタントスタートの量が増えたことを意味している。つまり、米を油と一緒に炊くと低GIになり、かつ、カロリーが低下する。

 

 ただし、ここには大きな問題がある。米の食味検査は外観、香り、味、粘り、硬さの五項目で判断される。硬さというのは柔らかければ良いということではないが、硬すぎると食味が落ちると判断される。低GI化された米は常に食味が低下する。それは米が硬くなりすぎるからである。また、この五項目のうち、粘りと味においても問題が生じる。

 

 低GI化された米は粘り気が落ちる。それは硬くなると同じ意味であるが、宿命的に落ちる。高アミロース米という商品は実際に市販されており、それも低GIの白米であるが、やはり硬くて粘り気が落ちるという問題がある。

 

 品種改良によってアミロース比率を下げるというのは、本来的に米の食あたりを良くするためであった。アミロースの比率が下がると米はより甘く感じられる。硬さと柔らかさと甘さを最適化するために、美味しい米は10%台後半のアミロース比率を目指している。しかし、低GI化された米はそれとは反対の方向にある。

 

 つまり、白米は低GI化できるが、同時に食味が悪化する。現在時点で糖尿病に罹っている場合は低GIの白米にする必要があるだろうが、一般的にはどこまで食味を犠牲にするかというのは大きな問題でもある。

 

 それでも幾つか解決方法がある。

 

 

 

参考)米の食味検査は日本穀物検定協会で実施されている。

http://www.kokken.or.jp/test.html