保通協は保安電子通信技術協会の略称であり、それは警察が自ら付けた呼び名でもある。少なくとも設立の段階では、この組織は電子がメインではなく、通信をメインにした組織であった。また、当初はパチンコ利権を管理する団体ではなく、北朝鮮関連の集団でもなかった。

 

 ここに1つの疑問がある。通信技術には根本的に無線か有線しかなく、実は、電波工作技術はその範疇に入る。つまり、保通協は最初から電波工作技術と絡んでいたのではないかという疑問である。

 

 以下は1986年5月15日の参議院での質疑である。

 

政府委員(山田英雄君)この保通協は、私官房長時代に一つの思い入れを持ってその設立にあずかった体験を持っております。これはどういう動機がといいますと、今の警察活動というのは高度のハイテクノロジー、科学技術によって支えられなければ、その目的は達成できないのでございます。そういう意味からしますと、警察の監督を受ける法人で知識技能を持った人たちが集まって、そこで高度のハイテク、それの研究をして、警察活動に応用できるものは応用していく、そういういわば試験研究機関として、シンクタンクとして浄財を募ってつくった財団法人が保通協であるわけです。したがって、おっしゃるような、もともとその本質において疑惑にからむ性格を持っておらないわけです、財政規模も小さいわけですし。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/104/1050/10405151050010c.html

 

 当時の山田英雄警察庁長官は官房長時代にこの協会の設立に関わったと答弁しており、保通協は高度のハイテクノロジーのために作られたと言っている。そして、そのハイテクノロジーとは電子のことではなく、通信のハイテク技術を指している。

 

 この協会が設立されたのは1982年であり、当時はパソコン通信がまだなかったため、通信の高度な技術の中にはデータ送信関連やデジタル化は含まれていない。なおかつ、それは警察活動に有用な技術であり、公安出身の山田が意図しているのは公安活動のためのハイテク技術である。

 

そうなると、高度な無線送信、有線の盗聴、電波操作が考えられるが、実は答えはその中にしかない。そして、デジタル化を含む高度な無線技術が開発されるのはもっと後のことであるため、有線の盗聴か電波操作が答えのはずであり、緒方盗聴事件はこの答弁がなされた辺りから始まっている。

 

 この答弁にもあるように、保通協は高度な通信技術を警察活動に応用するために作られた団体であるが、お金が継続的に集まらなかったために、1985年にパチンコ利権を引き受ける箱として利用される。

 

そのお金を利用して更なる研究開発を行ったのか、単なる集金マシンになったのかは分からないが、いずれにせよ、この結果として北朝鮮と警察が利権を共有するようになる。