警察が自己組織化した結果としてかなり多くの問題が生み出されているが、本質的には、公安が自己組織化したところに問題がある。そして、その自己組織化の中心にいたのがゼロと呼ばれる公安の裏工作組織である。

 

 元々、警察幹部ですら、裏工作がどのように行われているかを正確に理解していなかった。特に、公安畑の一定のラインに属していなければ、裏工作にどのような技術が投入されていて、どんな工作までできるか分からないはずである。

 

 國松長官のように公安畑のほぼ部外者であれば、実際に起こっている現象を見ただけではそこでどのような工作が行われたかは把握できない。例えば、電波で洗脳する技術があると知っていれば、小杉敏行巡査長の供述を見ただけで、それが電波操作の結果であることを疑うはずである。

 

 そして、このラインが最終的に警察全体を支配するが、それは電波操作でライバルのキャリア官僚を病院送りにした結果である。この際に左翼過激化した官僚が警察組織全体を統括できるようになった。

 

 現在の坂口警察庁長官が左翼過激化しているとは思っておらず、また、公安畑の警察官僚だとも認識していないが、一方で、警察組織全体の統制を執れているとも思っていない。それは今でも公安による電波操作を伴った犯罪が起こっているからである。

 

 未だに裏工作を制御できないのは、依然として裏工作ラインには違う指揮命令系統が残っているからだと思う。裏理事官のポストを抑えると基本的に裏工作全体を指揮下に置けるが、それでも各所にこのラインに属する公安職員が配置されており、裏工作ラインの警察幹部やOBは直接的にこれらの警官を依然として動員できる。

 

 この警察OBのコントロールは公安畑だけの問題ではなく、警察全体の問題でもある。つまり、依然として、警察OBは警察行政に影響を与えられる。特に、警察庁長官OBの地位は高く、その数人が警察行政に大きな影響を与えている。

 

 これは日本の民主主義にとって大きな問題である。と言うのも、警察OBは選挙過程を経ておらず、単に警察で働いて出世したという理由だけで日本の警察捜査に影響を与えられるからである。

 

 そして、ここに裏工作機関の自己組織化の問題が絡む。彼らは単に捜査するのではなく、工作員を使って犯罪も作り出せるからである。もちろん、電波操作を使って対象者を洗脳することもできる。

 

 この問題は日本全体で共有されるべき事案であり、全ての国民は我々がどれほど危険な状況に置かれてきたか、そして、置かれているかを理解する必要がある。