北海道で車を運転し出してから、長距離を移動することが増えた。それは道に迷いだしたからだけではなく、そもそも遠く離れた目的地間を移動するようになったからであった。

 

 当たり前ではあるが、車を長距離に運転すると普通に疲れた。目的地を決めた場合はそこまで行く必要があると感じるため、諦めずに最後まで運転するが、それでも疲れて、どこかで休憩することが頻繁にあった。特に、自分がスパイや警察に狙われているため、不必要な疲れは更に事故に陥り易く、かなり気を遣っていた。

 

 しかし、幻覚系の薬を入れられると全く違う状況になった。ほとんど疲れを感じず、どれだけでも運転できた。薬物が入っている状態は頻繁ではなかったが、そういう状況は何度もあった。最初は薬が入っていることにも気付いていないが、途中のどこかで普通じゃないことが分かる。

 

 ある日は特にドラッグの入り方がひどく30時間ほど運転していた。一度、ガソリンを入れるために止まったが、それが最も長い休憩であり、それくらいひたすらに運転していた。その間に食事は一度だけ取り、それもマックのドライブスルーで注文して運転しながら食べた。

 

 全く眠たくならず、全く疲れず、全くお腹が空かないのは幻覚系ドラッグの症状である。電波だけではこのような症状は作れない。電波の場合はお腹が極端に空く操作の方が一般的であり、不眠状態は作れるが、それはずっと起こされ続けるためであり、普通に眠くなり、普通に疲れた。

 

 この時はたばこを吸っておらず、薬は経口で入れられたと思うが、どこで入れられたかも確証が持てない。候補が幾つかあるが、いずれにせよ、永遠と車を走らせていた。

 

 その日は小樽に泊っており、そこから網走まで車を返しに行く必要があった。その距離を走るのに30時間も掛からないが、最初の時点で道に迷ったせいで、気がつけば洞爺湖にいた。それは全然違う方向であり、そこから南に苫小牧の方に抜け、帯広に着く頃には深夜になっていた。

 

 時間に余裕があったためどこかに泊まろうと思ったが、電波操作が激しく、永遠と誰かが喋り続けていた。そのうち泊まる機会を逃し、また、そもそも全く眠くならなかったため、帯広の街やその周りの十勝をぐるぐると当てもなく走り続けた。

 

 そして、そのうちに幻覚が見えるようになった。道に死体が落ちているように見え、危険なのでスピードを調整しながら運転した。また、何かの映像が目の前でくるくる回ったりした。当てもなく走る深夜の十勝で、幻覚を見るような精神状態に陥っていたが、ただ、自分はそれでも全く疲れず、全く眠くならなかった。

 

 幻覚自体は電波操作の結果でもあった。幻覚はドラッグが強くなった時だけしか見えないが、その状態下では電波操作の妄想がよりリアルになった。当時はどのタイミングではっきりとした幻覚が見えるのか区別がついていなかったが、後になって、幻覚が見えたのはドラッグが入っている時だけだと分析できた。

 

 その日はその電波工作者たちと永遠に会話し続けていた。内容はほぼ他愛もないことであったが、永遠と止むことなく工作が続けられた。その時点では明らかに彼らが状況をコントロールしており、自分は訳も分からないままひたすらに走り続けていた。

 

 

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