その夜になり、今度は体のコントロールを失った。自分の体が部屋の中を突然走り始め、それは自分の体でありつつも、全くコントロールできなかった。その時は薬がほぼ切れていたため、それがドラッグの影響ではないことはすぐに分かった。

 

と言うよりも、この話は聞いたことがあった。そこで工作を行っているスパイの中の1人が、この体が勝手に操作される話を昔にしたことがあった。そんなことできるわけがないと思って聞いていたが、実際にそういうことが存在し、それが自分に対して行われていた。そのため、この現象は耐えられないくらい不思議なものであったが、すぐにスパイの工作の1つだと受け入れられた。

 

とにかく、自分は部屋の中を行ったり来たり走り続けていた。これは完全な脅迫であった。このような形で対象者の自由を奪い、スパイの権威を受け入れるように脅していた。この工作がずっと続けば、自分も落ちると思ったが、どうやって対抗すれば良いかが分からなかった。

 

そこで座禅を組むことを思いついた。座禅をしながら神経を一点に集中すると、彼らは自分の体をコントロールできなかった。体が勝手に動こうとするのは感じられたが、基本的に体のコントロールを抑制できた。

 

しかし、そのうち、今度は体が勝手に動こうとする力が更に強くなった。それでも更に集中すれば、彼らのコントロールは抑えられたが、そのためにはかなりの集中が必要だった。その集中を乱すように彼らが脳内で自分に話しかけ続けるため、自分にはこれ以上無理だと思い、そもそも抗うことを諦めた。

 

彼らが走らせたいのであれば、走り続ければ良いと思うようになった。それが一生続くことはないはずであり、そもそも、自分の体力がなくなれば、倒れて何もできなくなると思った。座禅の結果として相手の操作を制御できたため、少しだけ心の余裕が生まれた。

 

その体の制御は磁石的な感じがした。強い力を体で感じ、その方向に走るように仕向けられていた。最初は何が起こっているのか全く分からなかったが、座禅によって彼らの操作を抑制できたため、その際に無理矢理体が引っ張られていく感覚を味わった。

 

 その後には、その操作に対してより自覚的になり、自分が無理矢理に抗おうとすると、体は磁石に吸い付けられるように一定方向に走ろうとした。そして、それが室内だけで行われていたため、向きを変え、何度も何度も部屋の中を走り回ることになった。

 

 

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