そんな見えない声が聞こえるようになった数日後、今度は自白剤を入れられた。物事の順序はこの順で合っているはずだが、正確に言うと、はっきりとは覚え切れていない。事象が起こったことは間違いないが、どのような順番だったかと、どれくらい日にちの間隔があったかは正確ではない。それは自白剤も含めて、ドラッグ漬けにされていたからである。

 

 ただし、自白剤が効いていた間は薬が入れられたことにも気付いていなかった。自分の頭がおかしくなり、正常が保てなくなった状態の中で、また頭の中で声が聞こえた。

 

 頭の中で声が聞こえるのは電波操作の産物であるが、頭がおかしくなってフラフラするのは薬の結果である。電波ではそこまではできない。睡眠が奪われた状態で電波操作を受けると、完全に妄想に支配された状態になることはあるが、頭の中がグルグル回り、自分の視界もグルグル回り、体もグルグル動くのは幻覚系のドラッグの特徴であって、電波操作の結果ではない。

 

 そして、自白剤はこの系統のドラッグであった。実際にそこで使用された薬物が何かは自分には分からないが、少なくとも、頭がくらくらする中でほぼ勝手に喋り出した。そして、自分にはその口を止めることが一切できなかった。

 

 そこで行われた工作は極めて不思議であった。その電波による会話には数人が参加しており、誰か区別できない人か知らない人がほとんどであった。彼らはおそらくCIAのスパイと日本の司法関係者であり、彼らが電波を通して尋問し始めた。

 

 それは彼らが今まで調べていた全ての事件や事象に関わるものであり、特に自分の金融取引について、かなり細かく聞いていた。実際のところ、そのようなことに答えること自体が馬鹿らしく、答えないで置こうと思ったが、頭も口も言うことを聞かず、その話を止められなかった。

 

 話は止められなかったが、声はかなり小さくできた。つまり、口は動き続けたが音声が外に聞こえない程度に下げることは可能であり、最低限の抵抗をと思って、その上にマスクを付けた。自分は頭の中で質問されることをそのまま答えていたが、これで外に声が漏れない状態になり、相手には何を言っているか分からないだろうと思った。

 

 当時はまだ電波で会話しているとは思っておらず、何らかの方法で声が聞こえ、それを盗聴器で拾って会話をしていると思っていた。しかし、実際にはそうでなかったために、自分が答えた内容は全て彼らに伝わっていた。実際に、会話がそこで成立しており、全ての取引でインサイダーも含めて違法取引がなかったことと、彼らが気になった取引がどのようなロジックでトレーディングしていたかを説明した。

 

結局、自分は自白剤を入れられており、その尋問から逃げられなかった。一方で、彼らはそこに犯罪がないことを完全に理解したはずであり、彼らのこれまでの違法行為がどのようにしても自分との間でバーター的に隠すことはできないと気付いたはずである。

 

 そのような電波尋問は何時間も続いた。彼らは永遠と質問を続け、自分は全く拒否できない状況で彼らの質問にそのまま答えていた。まだ薬が強く効いており、自分は自白剤のままに話しているだけでなく、何がどうなっているかを考える余裕すらなかった。

 

 

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