現地の人を工作に調達し難い時、警察は自らで工作をやることが多い。しかし、宮古島は大きいとは言え、離島であるため、そもそも警官の数に限度があり、それほど多くの人を工作活動に割けない。

 

また、沖縄県警本部の公安の警官を利用するためには、沖縄本島から職員を送り込む必要があり、その送り込む人員を極端には増やせないため、現地では警官ではない人たちを利用する必要がある。

 

宮古島で主にガスライティングを行っていたのは探偵であった。それも主力になっているのはかなり若い探偵であった。彼らのバックグランドが何かは分からなかったが、ほとんどが仕事として探偵をやっている人たちであり、かつ、彼らは島外から送り込まれていた。地域的にも拡がりがあり、関西と関東から集められたようであった。

 

彼らの多くは、その時、国がスパイ組織を立ち上げる話をしていた。そして、自分を含めて、周りの誰かがその組織のトップになるという話をしていた。彼らは探偵と言うよりはスパイだという自己認識があるようで、いずれ、国が正式なスパイ組織を立ち上げ、自分たちが雇われると思っていた。

 

今から考えると、とても馬鹿馬鹿しい話である。彼らはたぶん本気でそのようなことを信じていたと思うが、そもそも、公安警察は何万人もスパイを抱えていて、公安調査庁も潤沢に予算がある中で、日本がそれ以上のスパイ組織を持つ必要性など全くなかった。

 

それに、彼らは公務員になれないと思った。警察には間違った人も沢山いるが、大部分は善良な人たちである。一部の幹部が暴走した結果、警察は多くの人を殺し、国の方向性すら歪めてきたが、彼らは一部分に過ぎず、大部分はまじまで実際にそのような顔つきをしている。

 

ところが、そこにいた若い探偵は国のために働ける顔はしていなかった。彼らは公務員として働くことがどういうことかを理解しておらず、彼らにスパイのような権限を与えられると、今以上に諜報機関の問題が大きくなるに決まっており、そんなことが許されるはずもなかった。

 

彼らはそういうことが分かっていなかった。それ以上に、スパイが本質的にどのようなものかを理解していなかった。しかし、それが分からないからこそ、公安やCIAに安い駄賃で雇われ、工作活動を現場で担っていた。

 

 

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