オープン情報は、アセットを介在せずに直接的に情報取得できる。この収集も十分に一般的な諜報機関の方法論であり、このようなオープン情報でも情報の解析仕方によっては重要なインプリケーションを得られる。

 

この方法には2つの重要な意義があり、まずはオープン情報であれば違法な手段を使わない情報収集手段になる点である。ハッキングの中には完全に違法なものがあり、特に、自国民に向けられると多くの国で違法行為になる。他国政府に対するハッキングであっても、それが露見すると二国間関係が悪化する可能性が高い。

 

例えば、ドイツのメルケル首相の携帯電話に対してCIAは盗聴を行っていたが、そのようなことが露見すれば、アメリカに対する信頼はかなり低下する。たとえ表面的に二国間関係が悪化していなくても、信頼の低下はいろいろな局面に影響を及ぼす恐れがある。

 

アメリカの法律ではCIAが他国で盗聴行為を行っても違法活動にはならないが、ドイツの法律では明らかに違法である。とは言え、相手がCIAであるため、ドイツ政府も簡単にCIAの法的責任を追及できない。それは日本政府も同じであり、日本も簡単にCIAの犯罪を追及できない。

 

ただし、法的責任が問えなくてもドイツにおけるCIAのオペレーションは以前よりも監視される状態になり、諜報活動は大きく制御される。それ以上に、外交関係でアメリカはドイツに対して負い目を背負い、それが他の交渉に影響を及ぼすこともある。

 

また、オープン情報利用すると情報の取得が安定化する。対象者から直接情報を取ろうとしても、常に安定的に情報を得られるとは限らない。その情報には時期にも内容にも波があり、重要情報が引っかかることもあれば、全く何の情報も得られないこともある。

 

例えば、相手がテロ組織の場合、その組織内にアセットがいても、安定的に情報を入手するのは難しいかも知れない。頻繁に連絡を取るとアセットであることが露見するため、結局、情報取得という意味では極めて間欠的に重要情報が手に入ればうまく行ったということになる。そうなると防諜情報に波が生じ、対象組織の把握がうまく行かない恐れがある。

 

それに対して、オープン情報を利用すれば、その波を埋められる。一次情報がダークな状態におかれても、オープン情報の解析の中で、真実に行き着く可能性は十分にある。そして、安定的な情報を元に、安定的な政策が実行される。

 

それがテロ組織ではなく他国の政策に関する情報であれば、オープン情報を利用するだけでももっと深い情報は得られ、それも安定的に情報が得られる。ただし、情報は情報であって、その中には偽情報や不要な情報も沢山含まれている。オープン情報からどれだけ真実に迫れるかは、情報の裏を読む能力と取捨選択の能力に依存する。

 

 

ご一緒に、ご覧ください。

http://ameblo.jp/multifractal/entry-12194786306.html