ダイビングは他の島でもやったが、その時のスパイの工作活動はもっとあからさまであった。自分が泊まっていた場所はかなりローカルな地域で、外国人は少なかったが、ダイブショップは数軒あった。

 

 そこではドイツ人とアメリカ人と一緒に潜った。初日は何の問題もなかったが、2日目になると状況がおかしくなった。普通に潜っているにも関わらず、自分のエアーだけがすぐになくなってしまった。他の人よりも5分から10分くらい早く減っていた。

 

実際には、自分だけ先に水上に上がってきてしまった。ただその場所は水深がそれほど深くなく、岩根のところでステイして潜っていたので、海面に上がってもそれほど問題は起きなかった。その時は、こういう問題も起こるのかと思って、そのまま船に上がった。

 

 そして、実際にそこにどんな問題が潜んでいたのかは理解していなかった。偶然という程度にしか思っておらず、ちゃんと確認しなかったからかもしれないと思った。次に潜る際にはちゃんとエアーを確かめ、自分だけが少ないということはなく、普通のレベルであった。これで問題はないだろうと思っていた。

 

 しかし、やはり、次に潜っても自分のエアーは明らかに早く減った。その場所は先ほどよりももっと深く潜っており、またカレントの中を流れるドリフトダイビングだった。つまり、スタート地点とゴール地点がかなり離れているため、途中で海に上がってしまうと見付けられない可能性があった。それに加えて、深い地点からは急速に海上に上がるのは危険な行為であるため、すぐにどうするかを決める必要があった。

 

 結局、ダイビングガイドの予備のレギュレータを使って、カレントの中を残り10分ほど流した。最終的にはそれで問題なく乗り切ったが、どうしても割り切れない気持ちだけは残った。自分が諜報機関の工作を受けているのは周知であり、その上でこのようなエアーの減り方をするのは工作である可能性が高かった。

 

 どうもおかしいので、船に上がってから自分の機材を何度も入念にチェックした。すると、BCジャケットに空気の設定があり、自分だけが他の人と異なっていた。それはエアーを多く利用する設定になっており、それが原因で自分のエアーだけがすぐに減ったことが分かった。その次に潜ると全ての問題は解決しており、誰かがその調整を工作したところに原因があることが分かった。

 

 これは間違いなくCIAの工作であるが、これを嫌がらせと呼ぶのか致死性の工作と呼ぶのかは難しい。極めて危険ではあるものの、落ち着いて対処できるのであれば、これだけでは死なない可能性が高い。

 

しかし、自分の過去を思い返してみると全く似たような状況に陥り、もっと死の危険を感じたことがあった。そして、この時にその前の件に関してもCIAの工作であったことに気付いた。それは2009年11月の出来事であり、自分はもっと死にそうになっていた。

 

 また、もしかすると、小さな島にいたスパイのダイバーはこの工作を続けようと思っていたのかも知れない。このエアーを抜かれた時はCIAのオフィサーは船に乗っていなかったが、小さな島にいたダイバーはおそらく政府機関の職員であり、彼が同じ工作をその場で行えば、問題の本質が証拠として残る可能性があった。

 

 

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