2012年の日本は徹底的にインサイダー捜査をした年であった。元々は自分を落とすために始まった大捜査であったが、そこから純粋なインサイダー捜査が拡大していった。裏工作を行っていた公安のラインやCIAはインサイダー捜査を焚き付けることには成功したが、逆に言うと、捜査の拡大を止める権限は手にしていなかった。

 

つまり、インサイダー取引全体が問題となり、自分1人だけを捜査対象にはできなかった。結局、電波操作を行っていたチームや公安の違法行為を決定している人たちは、表立って自分だけに狙いを定められるほどの権力を持っていなかった。そして、金融業界全体のインサイダー捜査が始まる。

 

その一環として、野村證券のインサイダー情報の扱いが挙げられた。野村が落ちたのは、彼らが日系だからである。CIAやその他の諜報機関は自らの国の機関に対して保護的に動いたため、その保護がない野村が狙われた。

 

ちゃんと話を整理しておきたいが、これは2012年の話である。そして、その年に野村證券の従業員がインサイダー情報を漏らしたとして解雇された。その行為が事実であれば、金融システム上の大きな問題であり、実際にインサイダー取引が一般化してしまと金融システムは機能しなくなる。インサイダー情報は市場の価格決定機能を長期的に大きく損なう可能性があり、そのような取引は規制によって禁止され、罰則を与えられるべきである。

 

ただし、当時の法律では野村證券の従業員がインサイダー情報を伝えたとしても違法ではなかった。法律に瑕疵があり、証券会社の従業員がインサイダー情報を伝達することは犯罪行為ではなかった。犯罪行為となるのはこの情報を元に取引する側であり、この従業員の行為はいずれにせよ違法ではなかった。そのため、これを理由に従業員を解雇するのは当時においては不当解雇となり、実際に民事裁判はそのような結論に至っている。

 

しかし、2012年当時においてはその従業員だけでなく、担当役員も社長も頸になった。社長を頸にしたのは金融庁である。野村證券の社長を頸にしたという事実からすると、金融庁はこの行為が違法であると認識していた可能性が高い。しかし、実際には何の法律にも抵触しておらず、金融庁がもたらしたこの結果は明らかに行政の過剰な権力行使である。倫理的に問題はあったかもしれないが、明らかに社長まで追い出したのは過剰である。

 

この過剰な権力行使にはいろいろな背景がある。

 

当時はほぼ全ての大手証券会社がインサイダー取引を調べられていた。それは自分のインサイダー取引を調べるためであったが、そこで止めることはできず、同時に他の多くのインサイダー取引も調べられた。結果として、自分のインサイダー取引はなく、また電波操作によって嘘の自白に追い込むことも失敗していたが、業界には多数のインサイダー取引があった。それが問題として持ち上がった。

 

また、次に考えられる戦略がえん罪である。警察は証券会社にえん罪を求めたはずである。つまり、自分の何らかの取引に対して、インサイダー情報を与えたと嘘の証言をすれば、自分はえん罪に落ちる。それを達成するためには、証券会社を脅し続けることである。そして、それが極端に拡大していけば社長の頸にまで至る。そもそも、野村證券の社長はこの時点で辞める必要性は全くなかった。そして、各国の諜報機関が自らの国の金融機関を保護する中で、どこからも守られない最大のターゲットが野村であり、彼らも執拗に狙われ続けた。

 

自分は金融庁がどこまでこの工作に関わったのかは知らない。彼らがこの一連の工作において重要な役割を果たしていたことは間違いないが、裏工作を全て知っていたとは思えない。電波工作を知っていたとは思えず、また、スパイがそこに多数いたことも知っていたとは思えない。これがえん罪を作るためだとも分かっておらず、純粋に出来る範囲での法の執行を目指していた可能性が高い。

 

しかし、その結果は過剰な権力の行使であり、それも野村證券の行為を違法だと誤認識していた可能性が高い。あるいは、法的な論争の結果、金商法には瑕疵があり、野村の従業員の行為は実は適法だと判断され、その結果として金商法改正で対応するしかなくなった。どうして、そのようになったかは次に議論する。

 

いずれにせよ、野村證券には感謝している。社長は頸になったかもしれないが、彼らは少なくとも警察の権力に屈しなかった。

 

 

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