自分の監視を行っている人たちの中には明らかに警官らしい人が多数いたが、それ以外の人たちも沢山いた。特に、諜報機関に雇われているスパイが多数いた。周りに監視が付くようになってすぐの頃はそのような差は分からなかったが、時間が経つと共に、誰がスパイで誰が警官かは区別できるようになった。

 

スパイの中にはいろんな人がおり、自分が香港のエスカレーターに乗ると、かなりの頻度で自分の前に長い鉄の棒を肩で担いでいる人がいた。その人はいつも自分を刺せる状態の位置に立っており、それが実際に刺すためのものか突くためのものかは分からないが、監視と言うレベルではなく、恐怖感を与えるために彼はそこに頻繁にいた。

 

 香港のエスカレーターとはセントラルから山の中腹に向けて伸びているシステムで、複数のエスカレーターで構成され1キロ以上の長さがある。それは住宅街とオフィス街を結ぶ経路であり、その周りに住んでいると日常的にそのエスカレーターを利用する。

 

そのエスカレーターではいろんなやりとりがあった。尾行や監視者の全てを判別できることはないが、あまりにも諜報機関の工作員と警官が多すぎたため、必ず数人は識別できた。また、日にちが経てば経つほど、相手がスパイかどうか判断するのがうまくなった。

 

そういう相手の真後ろに立つと、相手にかなりの緊張感が走るのが分かり、大抵の場合は身構えるか、その中にはポケットに手をやり、武器を取り出す構えの人たちもいた。一方で、相手がスパイでない場合は自分が真後ろに立っても、何の反応もなく、全く気にしない。それを繰り返していくと、誰がスパイかをより見分けられるようになって行く。

 

そのようなあからさまな監視は、自分が教唆された犯罪を断ったあたりからもっと目立つようになった。その時点で、自分が中国に監視されているのは別の理由があると思うようになった。また、そこにいるのが警察だけでなく、あきらかにスパイが多数いるため、中国本土のスパイが何らかの理由で自分を狙っていた。

 

いろいろ考えた結果、自分がCIAのエージェントだと疑われていると思った。当時の状況は仕事の求職中という立場であり、自分の経歴から判断するとスパイ活動をしていると思われたのかもしれない。

 

ただし、それも今から振り返ると正しい認識ではない。正確に言うと、自分をCIAのスパイだと言うことにして、自分を社会的に抹殺することに目的があったと思う。あるいは、失敗はしたものの、依然として自分を犯罪者に落とすことが目標であり、自分を威圧し脅迫し、どこかのスパイに依存させることが目標だったと思う。それは日本でもアメリカでも中国でも、どこの国でも良く、結局、スパイの采配を聞く人間にすることに目標があった。それが共同オペレーションをしていた諜報機関の目標であった。

 

実際のところ、彼らが与える恐怖感は十分に人を落とせるものだった。だからこそ、あからさまな形で監視者がおり、あからさまな形で尾行がいた。それらは、彼ら全体が犯罪工作に失敗した結果でもあった。ただし当時は、日本の警察とは異なった理由で、中国の諜報機関が自分を狙っていると思っていた。

 

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