複雑な電波パターンになると解析が難しくなり、デジタル的な処理が難しくなる。少なくとも、複雑な電波パターンの全てをデジタルに解析することはほぼ不可能である。

 

それは脳波がデジタルで処理できないということではない。別の方法を使って個別の周波数やパターンがどのような形で発生するかを明確化しないと、電波をデジタルで表現することが難しい。

 

 あるいは、脳波をデジタルでクラッキングできたとしても、それを瞬時に解明することはかなり難しい。つまり、暗号を解くように周波数情報を意味のある物に変えられる可能性はあるが、それを瞬間的に解析し、フィードバックするのはかなり難しい。

 

実はもっと簡単な方法があり、それはアナログをアナログのまま認識することである。脳波の状況は無線でも読み取れるが、まずは有線をイメージして脳波を読み取ることを考えると、脳波は電極を通してアナログの波の情報として得られる。このアナログ情報を読み取るためにベストな方法は人間の頭を使うことである。

 

対象者の脳波をアナログ情報として採取し、それをそのまま違う誰かの頭に当てる。その当て方が無線であっても、有線であっても構わないが、有線であればブレインマシーンインターフェースを使うことになる。この連結によって被験者の脳波が解読者の脳波に影響を与え、解読者の脳波が被験者の脳波と同期化する。

 

もし、この二人が同じような脳の周波数パターンを持っていれば、同期化で全く同じようになる。つまり、この二人の個人差が一致すれば、同じように思考し同じように行動する。正確に言うと、被験者の思考を解読者も受け取れるようになり、被験者の行動に影響を受けて、解読者が行動する。それが強くなると、手を上下することも含めてかなり行動が制御される。

 

ここで鍵となるのはお互いの波長が合うかどうかである。波長が合えば、電波を出す側から電波を受ける側に対してコミュニケーションができる。相互にコミュニケーションするためには、受ける側から出す側にも電波を送る必要がある。そこには2つの電波が必要であり、レーダーを使えば無線でもその問題の一部は解決できる。ただ、ここでは有線を前提に話を進めており、有線で双方向に電波を送る。そうすることで、脳波で相互にコミュニケーションができる。

 

しかし、波長が合わなければこれは達成し得ない。そこでもう一つ鍵が必要になり、それは電波の変換である。アナログ波長から違うアナログ波長へと転換する。どれくらい個人差があるかにもよるが、微妙に周波数帯を上下させたり、周波数帯を微妙に歪めたりはできる。この二つの方向性ならばそれほど困難ではなく、物理的に変換できる。

 

ここまでの範囲なら無線通信と変わらないかもしれない。それぞれの無線機器に特有のコーディングがあって、それがある鍵を通すと相手側のコーディングに一致し、コミュニケーションが成り立つ。

 

実際に多くの人が電波によってコミュニケーションできている現実からすると、人の思考パターンにせよ行動パターンにせよ、似たような周波数パターンを出している可能性が高い。全く同じということではないにせよ、単純な変換のみで脳波を同期化させられる可能性が高い。社会的に言語的に電波パターンが制限される可能性はあるが、それでも脳の利用の仕方にそれほど大きな差はないだろう。

 

最後の鍵は脳波の個性と特性を見つけることになる。それはランダムに調べられるかもしれない。つまり、ラジオの周波数を調整するように、周波数の変換を調整していく中で、その人に特徴的な脳波のパターンが見つけられるかもしれない。あるいは、アルゴを使ってもう少し効率的に見つけられるかもしれない。

 

つまり、デジタルで解析できないにしても、対象者を制御したり解読したりできる。脳波のパターンに個性差があっても、それを変換するだけで独特な脳波パターンも一般化される。