電波をデジタルに解析するためには一般的にフーリエ変換を使うが、そこには分解能の限界がある。

 

フーリエ変換を使うと波長を数式に転換できる。この方法論は完璧ではないが、これに類する方法でないと数学的に波長を分解できない。1つの波長で構成されている電波であれば分解する必要はないが、複数の電波で構成されている波長帯の場合、それを解析するためにはどの電波が出ているかを分解する必要がある。

 

つまり、脳波が1つの波長で構成されていれば何の問題もないが、ほぼそういうことはなく、複数の化学変化と複数の波長で構成されているはずであり、フーリエ変換でその波長は解析できる。

 

しかし、フーリエだと分解能とサンプリングレートの問題が起こる。波長を細かく分析しようと思うと長い時間のデータが必要になり、短い時間のデータだと分解が粗くなる。粗くなるというのはデータの長さによっては10ヘルツ単位等でしか分解できないという意味であり、それだとそもそも二桁ヘルツ程度しかない脳波の分析には問題がある。

 

脳波が常に一定の状態を保ち、それを長時間のデータとして得られれば、もっと細かい単位で分析できる。そのためには、どこか特定の部位に痛みを感じる刺激を与え、その刺激だけを長時間受け続け、それ以外に脳に刺激が与えられず、思考も全くしなければ、長時間のデータが得られる。そして、それを利用すれば、ある程度細かく周波数を特定できる。

 

明らかではあるが、それは一般的な条件ではないため、この方法で周波数を特定することはかなり困難である。実験的には不可能ではないが、現実には適用できない。

 

フーリエ変換を利用する際、高速フーリエ変換で解析することによって分解能の問題を解決する方法がある。そこでも長時間のサンプルがどうしても必要になるが、そのサンプルを重なり合うように変化させていく。仮に1分のサンプル長で分析するとすれば、最初は0分から1分までで次は1秒から1分1秒にする。そのように変化させて行けば、その時間にどの波長が変化したかを特定できる。

 

これをもっと長いサンプルを前提にし、もっと微少時間の変化を扱うと、その瞬間に起きた変化を特定できる。つまり、その瞬間に発生した周波数を特定できる。

 

この方法で問題の一部は解決するが、波長をどこまで細かくできるかには依然として限界がある。結局、特定の脳波の差がどのようなオーダーの周波数に依存しているかの問題になる。1ヘルツ単位であれば可能だと思うが、これが小数点二桁くらいまで来ると、デジタルによる解析には限界が生じる。

 

また、デジタルに解析したものをフィードバックするのには更に困難が伴う。ある過去データがあり、それを解析するなら、高速フーリエ変換で解析できる可能性はあるが、分析の方法によって多くの式と計算が必要になる。いくらスーパーコンピュータを使ったとしても、このフィードバックを瞬間的に行うのは無理だと思う。

 

結局のところ、一般的な意味でのデジタル解析はそれほど進んでいないのかもしれない。それは脳波をデジタルにすることが難しいという以上に、デジタルに解析することに限界がある。そして、デジタルに解析しなくても、脳波を理解し利用する方法がある。