5 公安と左翼過激派

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公安は左翼過激派と繋がっている。それは秘密でも何でもない。公安は左翼過激派の活動を抑えるために、過激派メンバーのスパイ化を進めてきた。それは過激派だけでなく、共産党に対しても当てはまる。一部のメンバーをスパイにすることによって彼らの活動の内部情報が得られ、より公安が左翼過激派をコントロールできるというロジックだった。

このスパイのコントロールは警察庁警備局警備企画課が行っている。裏理事官と呼ばれるスパイの管理を行っている理事官はここに所属している。組織上は裏理事官の上司は警備企画課長であり、その上に警備局長がいる。このスパイ組織を管理する上での責任者は裏理事官だけではない。

 ただし、実際にこの関係がどのように運営されているかは分からない。組織上は間違いなくそのような指揮命令系統になっているが、実際上は公安畑の警察官僚が直接的に裏理事官を指揮している節がある。もちろん、警備局長はほぼ公安畑出身であり、警備企画課長は公安畑の官僚しか就任しないので、彼らが意思決定から阻害されるのは考え難い。しかし、一部の裏工作は裏理事官が繋がっている特殊な人間関係のラインに基づいて決済されている可能性がある。

いずれにせよ、公安が特別に抱えている協力者はこの左翼過激派と共産党員である。外国籍のテロリストをスパイとして抱えるならばこの組織になるが、実際にそのような活動が行われているかは分からない。

現実的には各都道府県の公安部門の職員の中にハンドラーがおり、外国籍のテロリストも含めて協力者を管理する。そのリストは警察全体で統合管理されており、それが裏理事官の基本的な役割である。公安がスパイとしてアセットにするのは基本的には公安が対象にする集団だけであり、それ以外は対象にならない。

ヤクザを協力者にするのであれば、その管理は組織犯罪対策課が行うはずであり、公安がその管理を行うことはない。組織犯罪対策課に裏理事官がいるという話は聞いたことがないので、警察が管理しているものの形式上帳簿に載っていないスパイ組織がヤクザ内に存在するとは思えない。基本的には情報提供者という扱いになり、都度ベースでお金を渡し、アセットにしていると思う。

結局、公安にとっても警察にとっても左翼過激派は特別な存在である。特別にスパイ組織を設け、スパイにしたアセットに資金を提供し、彼らから情報を得たり、彼らが組織の中で地位を築くのを補助する。公安が左翼過激派の全ての活動を理解しているわけではないが、スパイ化を進めた結果としてかなりの活動を制御できるようになっている。もちろん、依然として公安の手の届かない過激派もまだ存在する。

このスパイ化は微妙な結論を生み出している。公安が敵だと認識する過激派と味方だと認識する過激派が現実的に生み出されている。そして、ここに問題が起こっている。どうも警察の中に過激派にシンパシーを抱く人たちがいる。

何故そのようになったかは分からない。可能性は2つあり、1つはそもそもそのような傾向の人たちを採用した結果として、左翼の警察官と過激派の連携が深まった可能性である。もう1つは過激派に逆に浸透された結果として、過激派のシンパになってしまった人たちである。過激派側からすると公安の中にいるモールであるが、その職員自体はそのような自覚はないままにスパイになっているのかもしれない。

いずれにせよ、過激派にシンパシーを抱く警察官が存在している。かなり高位に行った警察官の中にもモールが存在し、また現在もきっといるだろう。もう少し細かい議論が必要ではあるが、実際に起こっている問題は公安が左翼過激派にスパイを送り込んだというような単純な話だけではない。その結果として警察の暴力活動が一部左翼化し、過激化し政治化している。

元々、公安には国家主義者が存在する。もしかしたら、大部分がそうかもしれないが、少なくとも国家の治安を制御するという考え方は国家主義に極めて似た価値観になる。それに疑問を抱かずに突き進むためには、その価値観を保持している方が良く、結果として公安の内部では国家主義的価値観が支配的になる。そこでは個人の権利や自由は関係なく、抽象的な国家という概念が主体になる。

その感覚は左翼過激派と同じである。彼らにとっても個人の権利や自由は関係ない。自由よりも理想が重要だという感覚があり、また国家が個人を管理するという考え方を持っている。公安や諜報機関は左翼的な国家においても大きな位置を占めている。そもそも公安の活動と左翼の活動には親和性があり、本質的に対立するものではない。特に右寄りの民族主義と左寄りの理想主義が融合すると、それは全体主義になる。結局、警察官が左翼過激派の考え方に共鳴できるベースは本来的に存在している。

公安には公安自体の問題があるが、更に問題を深刻化させた理由の1つは彼らが左翼過激派と繋がっているからである。昨今、左翼過激派が逮捕されているが、それはこれが書かれるのを知っているので予防線を張ったか、あるいは、これを書かれる結果として、公安のスパイとして保護されていたものの、実際には数多くの犯罪を行っていた過激派が公安のハンドラーごとその責任を取らされたからだと思う。