設備は過剰で、労働も過剰だという話を書きましたが、日本は資本も過剰だと思います。日本の利回りが低い要因の一つは資本が過剰に存在するからです。


この過剰を受け入れる受け皿が日本には必要です。バブルはその答えになりません。それは破滅的な結末を迎えるからです。


過去20年間を見てみると、この過剰を政府が受け入れていたということも出来ます。だからこそ、国債の発行が異常なレベルにまで上昇しているわけです。ただ結果として、問題解決の先送りしかできず、あるいは政府の負債が増えるという形で問題が増殖しただけと言えます。


政府セクターを通した資本の再配分は設備の過剰と労働の過剰の根本的な問題解決には資することがなかったわけなので、この方式はもはや続けるべきではないです。国債の発行は減らし、資金の受け先を国から民間に戻す必要があります。


一方で、企業セクターの現状は厳しいにしても、以前ほど赤字体質ではないし、以前ほどバランスシートが悪いわけではありません。その裏側にいる銀行セクターも不良債権で苦しんでいるわけではありません。


厳しい円高が続いているので、国内での財の生産は厳しい局面にあり、労働の問題が更に厳しくなるかもしれませんが、労働の質がそこまで悪化しているようには感じません。教育のレベルもそこまで落ちているという感じもまだしません。


日本の全てが問題だらけというわけではないと思います。とは言え、これらの現状の上に、東北の復興の問題があるので、問題は更に難しくなっていると思います。