1971-73年以降の産業転換の中で、第三次産業以外に、自動車産業と電機産業が進展するのは、特殊日本的な現象とは言えませんが、必ずしも、どこの国でも見られた現象ではありません。


両産業とも、第二次世界大戦以前から、日本には技術的素地があったので、全く新しい産業というわけではありません。自動車産業が大きく立ち上がったのは、国内需要の要因はもちろんとして、アメリカで日本車が評価されたということが大きいです。それまでは日本車の評価が高かったわけではありませんが、オイルショックを受けて、日本車の省エネ能力に注目が集まり、それと日本的な経営・生産手法の強さもあいまって、日本車のプレゼンスが海外で強まっていきます。


日本の自動車産業の発展の中には必然的な部分と偶然的な部分があり、だからこそ、特殊日本的ではないにせよ、産業の発展段階として必然的に見られる現象ではないと言えます。


電機産業も時代に合致していたのかもしれません。高度経済成長後期から家庭に家電が取り入れられるようになり、それが多種多様な電化製品へと広がり、それに続く形で、半導体関連の産業も勃興してきます。


この2大産業の発展と第三次産業の成長が70年代後半から80年代前半にかけて大きく進み、新たな労働力を吸収することとなりました。


つまり、1971-73年を境にして、日本の産業構造は大きく転換したということです。高度経済成長期と大量消費社会への転換は、日本では、極めてスムーズに進んだわけですが、実質的にはかなり大幅な転換があったと言えます。そして、この転換自体は、必ずしも普遍的に見られる現象ではありません。


次に、この転換の背後にあった、もう一つ重要な変化について考えてみたいと思います。