現状において、日本の安善保障は自衛隊と日米安保で成り立っています。日米安保が自然と永遠に継続するという保証はどこにもないですが、今の日本の自衛隊だけで日本を守るのは少し難しいと思います。


フィリピンがスプラトリー諸島を失った背景には、90年代にフィリピンがスビックの基地からアメリカの海軍を追い出したことがあると思います。軍事的に真空状態になった隙をついて、中国はスプラトリーへの一部実効支配へと進んでいます。そういう意味でも、在沖米軍の意義はしっかりと意識した方が良いと思います。


日米安保反対の人の中にもいろんな意見がありますが、その中に東アジア共同体を主張している人たちがいると思います。彼らの意見と言うのは、冷静に言って、日本が中国の傘下に入ることを意味しています。安全保障のひとつの考え方だとは思いますが、個人的には大反対です。


日本がホントに考えなければならないのは、将来的に、アジアにおけるアメリカのプレゼンスが弱まったときにどうするかということになります。それは十分に考えられることだと思います。


韓台は日本の生命線という考え方は今でも意味はあると思いますが、他国との利害対立が激しいので、日本はその線で考えるべきではないと思います。そうなってくると、半島情勢がどういう帰着を迎えるのかという問題はありますが、とりあえずのところ、対馬海峡をしっかりとコントロール下に置くことと、南西諸島より南東に敵を入れないことということになります。


それでも、西太平洋に敵が入ってくる可能性が残されているので、タテのラインで西太平洋を守ることが必要で、その中で、特に台湾やフィリピン、あるいはベトナムと友好関係を築く必要があります。


ただ最終的に、アメリカのプレゼンスがなくなってしまうのであれば、通常兵器だけでなく、戦略兵器をどうするのかという問題を真剣に考える時代が来るかもしれません。