前回に準備率操作の話を書きましたが、その意味するところを更に考えてみたいと思います。


中国は今年からマネーサプライを政策対象にし、具体的にはM2をコントロールしたいようです。M2は基本的には人民元紙幣そのものと当座預金・普通預金で構成されています。


準備率を操作することによって、人民元紙幣の発行を抑えると、直接的にM2の増加を抑えることに繋がります。


ただし、そもそも米ドルを人民元に変えているのは中国にある企業で、それが銀行を通して行われ、価格の変動を抑えるために、PBOCが米ドルを買って人民元を売るという構造になっています。


と言うことは、可能性として、中国にある企業の当座預金・普通預金が増えている可能性があります。そうなるとM2は増加します。


そこで何をするかと言うと、銀行の準備率を上げることと貸出金利を上げることによって、その資金が新たな投資に向かうのを抑えるようにしています。この政策には意味がありますが、M2の増加を抑えることには繋がりません。


また、理論的な混乱があるのですが、貨幣と銀行の準備預金を足したものはハイパワードマネーと呼ばれていて、一番基本のマネーの概念になります。つまり、準備率を操作し、紙幣の発行量を抑えたところで、マネーは抑えられるのかという問題が生じてしまいます。つまり、中国の政策は良く練られているとは思うけれど、制度上に問題があるので、ホントに意味があるのか分からなくなってしまいます。


ただ、当座預金を増やし、貸出金利を上げると、信用乗数が下がるので、マネーの速度が下がり、インフレが抑えられるのかもしれません。こういう関係があまりにも複雑すぎて、中国の政策の理解が難しくなります。政策自体が理解できないということではなく、果たして、効果があるのかということが全く分からなくなります。


結果を見て判断する限りにおいては、それほどの効果を持っていないということになります。