これも去年書いたことと同じことになりますが、日本の安全保障を考えた際に、日米安保が機軸として、その上で、台湾・フィリピン・ベトナムと友好関係を持ちながら、インドと協力するという話を書いたと思います。


それから一年くらいが経って、自分の判断は間違ってなかったんだろうと思うところと、もう少し深めなければと思うところがあります。


今回の震災を通して、多くの日本人が台湾は極めて強い日本の友好国だということに気づいたと思います。それも国家主導と言うわけではなく、国民主導という形で、政治的ではない姿が突出してあったと思います。


日本人はこの関係をとても大事にしなければならないと思うのですが、その前にフィリピンのことを書きたいと思います。去年の朝鮮半島で軍事的問題が起こった際に、フィリピン政府は日本政府に、もし有事が発生すると、韓国にいるフィリピン人を日本に輸送するように要請しました。


結果として、有事にまでは至らなかったので、その判断を下す必要はなかったわけですが、今年に入って、フィリピン政府は、もしフィリピンと中国の間で有事があった際には、日本とアメリカに救援してもらうと公言しています。


これはとても難しい問題です。フィリピンは中国との間にスプラトリー諸島における国境紛争を抱えており、去年の香港人ツアーのバスがマニラで乗っ取りにあった際の処理で、中国との関係を更に悪化させています。


フィリピンは太平洋戦争の激戦地で、日本が強かったということが国家の記憶として残っているんでしょう。そして日本との関係は常に良好で、一番近い外国の一つであり、アメリカとのバランスを取るためにも、アメリカだけでなく日本の協力も必要だと考えているんだと思います。


そこで問題なのが、本当にフィリピンと中国の間で有事が起こった際に、日本はフィリピンを助けるのかということです。現憲法上は不可能です。


ただ現実問題として、そういうことが起これば、公式・非公式にフィリピン政府は日本政府に対して救援を要請するでしょう。この要請を無視すると、日本は確実に孤立します。中国や北朝鮮は味方になるかもしれませんが。日本の選択肢としては中立は取れないと思われます。それは本当に孤立するので。どちらの側に立つんだということになりますが、多くの国民にとってはフィリピン側に立つのが自明のことのような気がします。


ここを何故かと説明するのはとても難しいのですが、日本との関係の良好さと日本の防衛を考えると、台湾・フィリピン・ベトナムのタテのラインで協力することがとても大事だと思います。フィリピン・台湾・日本に囲まれた形で西太平洋があるので、少なくともこの三カ国が協力して西太平洋への敵の侵入を最小限に抑えることは大事で、ここに容易に入ってこられることになると、日本は太平洋側も敵に晒されることになります。そして、幸運なことに、フィリピンも台湾も日本にとても友好的な国です。