大連立はホントに必要なのか?


国民の間には大連立に対する一定の支持が存在します。それは現在の国難に対応するためには、大連立が必要だと感じているからでしょう。ただ、その背景にあるのは菅政権及び民主党に対する不信感だと思います。つまり、大連立がベストの答えだと思っているわけではなく、民主党に対する不安感を緩和するためには、大連立がベターだと思っているということです。


民主党政権も自民党と大連立を組もうとしました。震災復興という大義の下で、それを共に乗り越えて行こうということですが、その裏にあるのは、民主党自身も自らの能力に限界を感じているということでしょう。少なくとも潜在的には。


自民党の一部にも大連立の支持者はいます。今回、表立って大連立を支持していたのは、古い自民党のリーダーの人たちです。彼らもこの国難に対応するために大連立を考えているんだとは思いますが、一方で、彼らは自らの利権も考えています。今回の震災復興の予算は、当面の最後の大型予算になる可能性が強く、その采配に関わりたいという思惑もあるはずです。


民主党と自民党の今回の大連立というのは、この政治的背景の下に存在しています。


大連立のメリットは政治的意思決定が速くなることです。衆参ねじれ状態の中で意思決定を速くするためには両院の多数派が政権を構成することです。ただ過去一ヶ月超で実施されていることを考えると、衆参ねじれの影響で何かが遅れたということは考えにくいです。


まず地震が起こってすぐに国会の審議は止まり、その翌週は委員会も開かれていません。野党は内閣が緊急対応するための時間を与えており、かなり協力的にものごとは進んでいました。その再開後に一週間ほどでつなぎ法案で妥協することによって、財政的な混乱も避けられています。


つまり、衆参ねじれ状態であることが政治の意思決定の遅れには繋がっておらず、その点では大連立の必要性は感じられません。そもそも、ほぼ全ての政党は震災対策に協力的であり、大連立という形を取らなくても、一定の結果は得られると思います。


とは言え、今回の震災に対して、政府・民主党の行動は遅いように感じられます。一つには、原発対応に大きなリソースを取られており、震災対応が後手に回っているからだと思われます。一方で、民主党には現状の問題を対処する能力に欠けているのではと感じられます。


行政対応にせよ、特例法にせよ、予算対応にせよ、民主党の意思決定は少しずつ遅れていると思います。政治対応が必要なところと、行政で対応可能なところの選別がしっかりされておらず、全てを政治対応しようとしたことがそもそもの問題だと思いますが、その上に、政治対応できるだけの情報力や意思決定力や経験に欠けており、それが政策の遅れに繋がっているんだと思います。そして、その少しずつの遅れが積み重なって、大きな遅れを生み出しているんだと思います。