前回、日銀は物価目標の議論を深め、ターゲットレンジを引き上げるべきだという話を書いてきましたが、実質の政策として、どんなものが今後考えられるのでしょうか。
日銀は現時点でいろんな政策を実施していますが、メインはゼロ金利、包括的金融緩和、短期より少し長いところの金利低下誘導を行っています。それ以外に、今回の震災対応として、市場の安定化のため流動性を供給して、被災地の銀行のためにファシリティを供給していることが挙げられると思います。
ポイントはこれ以上のことが出来るのかということですが、消費者物価の上昇が明らかになるのであれば、新たな金融緩和策というのは難しいと思います。現状の緩和が貸し出しに繋がっているとは思えないですが、その反面、直接的な政策として包括的緩和があるので、政策セットとして理解可能な範囲だと思います。
これ以上の政策追加は物価次第ということになると思います。物価をどう見るかというのは難しいですが、夏に掛けて物価が弱含まない限りは、今回のパッケージでやることになるんだと思います。
一方でファシリティの供給に関しては、最終的には実質的な供給になるんだと思います。現状では銀行間の決済に問題はないと言っていて、問題が起こったときにつなぎ資金を供給できる用意があるわけなので、当面の間は問題が起こらないんだということなんでしょう。
問題はその先で、つなぎ資金を供給したとしても、根本的な問題解決にはなりません。被災者が預金を引き出して、優良資産を優先的に現金化し、一方で貸出先が痛み、引き当てやライトダウンをすることになると、自己資本が毀損するだけでなく極端にバランスシートが悪化します。
通常なら倒産するわけですが、この環境でそれが正しいのかどうか分かりません。政府が救済すると、一般的にはモラルハザードの問題が起きますが、震災の影響は根本的には趣旨が違うと思います。地域金融機関を優先的に救済することは公正さも欠けるかもしれませんが、地域の安定性を保つためには仕方がないような気がします。
ただし、これは日銀のやることではなく、金融庁・財務省がやることです。短期的には日銀が流動性を担保できるにしても、本質的には政府が自己資本性のものを注入するしかないと思います。この環境では検査は出来ないと思うし、政府が資産の質を測ることは難しいと思いますが、それでも早めに注入を決定した方が良いのではないでしょうか。
そして重要なのは、この先になると思います。短期的な資金が供給されて、その後に自己資本性のものが注入されると、地域金融機関は生きながらえることが出来ます。ただし、地域再生のための資金供給機能はこれでは十分ではありません。これでは、欧米でときどき批判されているようにゾンビの状態のままになってしまいます。
当面はそういう状態になったとしても、融資の知見はあるわけなので、その機能を活用しながら、第三者が融資の大部分を担う仕組みを作った方が良いと思います。大掛かりな融資があるとも思えないので、おそらく証券化の仕組みを使って、第三者から資金を誘導してくることになるんだと思います。その第三者が民間の金融機関なのかJBICなのかは分かりませんが、今後のことにはなると思いますが、ちゃんと資金枠を用意した方が良いと思います。政府は緊急融資を実施するようですが、ここで述べているのは緊急融資のことではなく、新規融資をサポートすることです。
ただし、この局面でもモラルハザードが起こる可能性があるので、地域金融機関にも一部のオウンリスクを持たせるべきだと思います。これが金融政策と呼べるのかどうかは分かりませんが、このように3段階で資本市場の機能を担保する必要があると思います。
もちろん反対側の意見として、倒産を容認して、再建団体として存続させたり、債券を第三者に移管することは出来ます。より合理的で論理的な解決策だとは思いますが、日本全体で最適であったとしてもあまりにも地域的な偏りが出てしまうことと、短期的とは言え、この環境下で更なる混乱を導くことに意味があるとは思いません。
いずれにせよ、一ヶ月ほどで最初の結論は求められるかもしれないので、早めに方向性を決めた方が良いと思います。
日銀は現時点でいろんな政策を実施していますが、メインはゼロ金利、包括的金融緩和、短期より少し長いところの金利低下誘導を行っています。それ以外に、今回の震災対応として、市場の安定化のため流動性を供給して、被災地の銀行のためにファシリティを供給していることが挙げられると思います。
ポイントはこれ以上のことが出来るのかということですが、消費者物価の上昇が明らかになるのであれば、新たな金融緩和策というのは難しいと思います。現状の緩和が貸し出しに繋がっているとは思えないですが、その反面、直接的な政策として包括的緩和があるので、政策セットとして理解可能な範囲だと思います。
これ以上の政策追加は物価次第ということになると思います。物価をどう見るかというのは難しいですが、夏に掛けて物価が弱含まない限りは、今回のパッケージでやることになるんだと思います。
一方でファシリティの供給に関しては、最終的には実質的な供給になるんだと思います。現状では銀行間の決済に問題はないと言っていて、問題が起こったときにつなぎ資金を供給できる用意があるわけなので、当面の間は問題が起こらないんだということなんでしょう。
問題はその先で、つなぎ資金を供給したとしても、根本的な問題解決にはなりません。被災者が預金を引き出して、優良資産を優先的に現金化し、一方で貸出先が痛み、引き当てやライトダウンをすることになると、自己資本が毀損するだけでなく極端にバランスシートが悪化します。
通常なら倒産するわけですが、この環境でそれが正しいのかどうか分かりません。政府が救済すると、一般的にはモラルハザードの問題が起きますが、震災の影響は根本的には趣旨が違うと思います。地域金融機関を優先的に救済することは公正さも欠けるかもしれませんが、地域の安定性を保つためには仕方がないような気がします。
ただし、これは日銀のやることではなく、金融庁・財務省がやることです。短期的には日銀が流動性を担保できるにしても、本質的には政府が自己資本性のものを注入するしかないと思います。この環境では検査は出来ないと思うし、政府が資産の質を測ることは難しいと思いますが、それでも早めに注入を決定した方が良いのではないでしょうか。
そして重要なのは、この先になると思います。短期的な資金が供給されて、その後に自己資本性のものが注入されると、地域金融機関は生きながらえることが出来ます。ただし、地域再生のための資金供給機能はこれでは十分ではありません。これでは、欧米でときどき批判されているようにゾンビの状態のままになってしまいます。
当面はそういう状態になったとしても、融資の知見はあるわけなので、その機能を活用しながら、第三者が融資の大部分を担う仕組みを作った方が良いと思います。大掛かりな融資があるとも思えないので、おそらく証券化の仕組みを使って、第三者から資金を誘導してくることになるんだと思います。その第三者が民間の金融機関なのかJBICなのかは分かりませんが、今後のことにはなると思いますが、ちゃんと資金枠を用意した方が良いと思います。政府は緊急融資を実施するようですが、ここで述べているのは緊急融資のことではなく、新規融資をサポートすることです。
ただし、この局面でもモラルハザードが起こる可能性があるので、地域金融機関にも一部のオウンリスクを持たせるべきだと思います。これが金融政策と呼べるのかどうかは分かりませんが、このように3段階で資本市場の機能を担保する必要があると思います。
もちろん反対側の意見として、倒産を容認して、再建団体として存続させたり、債券を第三者に移管することは出来ます。より合理的で論理的な解決策だとは思いますが、日本全体で最適であったとしてもあまりにも地域的な偏りが出てしまうことと、短期的とは言え、この環境下で更なる混乱を導くことに意味があるとは思いません。
いずれにせよ、一ヶ月ほどで最初の結論は求められるかもしれないので、早めに方向性を決めた方が良いと思います。