まだまだ問題はエスカレート中ですが、どこかの段階で落としどころを探す時期がきます。端的に言うと、誰かが責任を取らないとどうにもならないと思います。民主党に政権が移ってから、誰かが責任を取ってやめるということはないですが、今回に限っては、誰かが責任を取るべきです。官僚のミスマネジメントが起きた際に、大臣の責任問題に発展し、それを綱紀粛正的な感じで乗り切ることは可能かもしれませんが、今回は100%政治家が決断する問題であり、それをうまくこなせなかったんだから、誰かが責任を取るべきです。



今の問題の焦点は検察への圧力があったのかなかったのかというところに流れています。要するに、純粋に法律的観点から検察が船長を釈放したのであれば、このような問題にならなかったわけで、検察が日中関係に配慮したという発言をしたことが問題を大きくしているわけです。



そもそも公務執行妨害罪で逮捕しているので、それが純粋に成り立たないのであれば仕方がないですが、それ以外の理由があったと、那覇地検は暗に示しているわけですね。



では、どういう方向でものごとを進めるのが良いかというと、

まず、今回の行政の失敗に関しては100%国会で審議するべきです。野党が求めているので、確実に議論はされると思いますが、ただ方向性が分からないのが少し気になります。それが落としどころの問題です。



まず、犯罪事実があったのかなかったのかをしっかり確認すべきだと思います。そのためには、海上保安庁の担当者を参考人招致すべきです。その上で、例のビデオを公開すべきなんでしょう。



次に、検察の決定がどこでなされたのかを確認すべきです。話の流れ的には、最高検が決めたということになっていますが、しっかり確認するために、那覇地検の人間を国会招致すべきなんでしょう。



その上で、最高検の今回の決定に関して、誰がどのように関わったかを明らかにすべきなんでしょう。そして、そこに関わる人を証人喚問すべきです。



ポイントとしては、日中関係に配慮したというのであれば、どういう形で情報を得たかですね。まさか新聞情報を見て、日中関係が危ないと思って、最高検が決定をするわけもないので、政府の中でどういうやり取りがなされていたのかハッキリさせるべきです。



行政の問題をはっきり浮かび上がらせるのは、国会の非常に重要な役割であって、民主党がこの役割を否定するのであれば、すぐに衆議院を解散して、今回の問題に関して、広く国民に是非を問うべきです。



最高検の担当者は証人喚問の意味はよく分かっているので、嘘はつかないでしょう。ただし、そういう過程を経ても、検察が独自の判断で決定を下したという結論に至る可能性もあります。つまり、官邸と緊密に連絡をした上で、最終決定は検察がしたということも形式上は有り得ます。



結論として、検察のトップはクビになるんでしょうが、ただ大阪の特捜の問題があるので、本人はそもそも辞めなければならないのを分かっているでしょう。



問題は政治家がどうやって責任を取るかです。政治家が今回の釈放に関わっているのであれば、その人が責任を取るべきです。もし、どの政治家も検察の最終決定に形式的に関わっていないのであれば、その不作為について責任を取るべきです。



じゃあ、誰が責任を取るべきかと。まずは、この検察の決定がなされて、それを了解した人がいるわけです。それは仙谷さんですね。仙谷さんは、首相は起きてからこのことを知るだろうという趣旨のことを言っているわけで、この決定に裁決を与えたのは仙谷さんです。



次に、今回は菅さんも外務大臣の前原さんも国外におり、この問題の決定権は仙谷さんの手にあったということでしょう。そういう意味でも、仙谷さんが責任を取るべきです。作為であれば100%仙谷さんが悪いですが、たとえ不作為だとしても、政治家が責任を官僚に丸投げして、それを知らないというのはおかしいです。国家の重大な問題に関して、この決定がなされたときに、それを一番最初に裁決した政治家、あるいはその時点で決定権を持っていた政治家は断罪されるべきです。



そして、それが仙谷さんです。今回の落としどころは、仙谷さんを官邸から追放することです。それが出来ないのであれば、菅さんが首相を辞めるべきです。この数ヶ月の菅内閣を振り返ってみて、日本の国益や日本の名誉を一番損ねてきた人は仙谷さんのような気がします。その意味で、彼が今回このような決定に至る道筋をおそらく書いた理由も分かるような気がします。そういう意味では起こるべくして起こったことであり、一番の対処療法はその問題点を除去することだと思います。



その上で、今回の問題は、中国に対してどうあるべきかということも問われています。日本はグランドデザインがないと言われて久しいですが、今回は真剣に考えるべきなのではないでしょうか。



日本の安全保障を考えたときに、他国を攻めるという選択肢は取れないです。そこは中国とは違います。そうすると、どうやって守るかという問題の中で、やはり集団的自衛権の問題を真剣に考えるべきです。アメリカと連帯することも必要なことですが、それ以外の国と連帯するのも必要なことです。つまり、中国との国境紛争を抱えている国を助けることによって、日本への圧力を弱めるべきです。それほど強くない国をうまく使って、日本と共に防御ラインを築くべきです。



アジアの諸国と軍事的にも経済的にも連携することは、日本にとって悪い選択肢ではないです。それは大東亜共栄圏の亡霊のような東アジア共同体よりもより現実的で、より意味があるものだと思います。