今日も、政府の貸付金の話を続けます。
政府の貸付金の中で一番大きいのは、地方公共団体向けですが、次に大きいのは住宅金融支援機構向けです。その金額は1年半前の段階で約28兆円あります。国債で調達をして、この機構にお金を貸すこと自体は構わないですが、そもそも、この機構をどうして行くのかというのを議論する必要があると思います。



4月の事業仕分けで、この機構について議論されましたが、全く意味のないものだったので、本質的な方策は生み出されていないように思います。



そもそも、この旧住宅金融公庫を民営化しようという動きがあったはずです。曰く、ファニーメイのようになると。ファニーメイとはアメリカの政府機関であり、上場会社であり、国民の持ち家比率を上げるための企業です。



ファニーメイは何度か危機に陥っていますが、一番直近のものは、サブプライムです。そもそもプライムと呼ばれる優良な貸付先は銀行が持っていきます。銀行がお金を貸さないような人たちにも住宅を所有できるようにするために、ファニーメイは存在していました。サブプライムというのは、もともとはファニーメイもお金を貸さないような人たちへの貸付のことを指していました。



ファニーメイが上場企業として、更に利益を向上するためには、ビジネスを拡大するか貸付先を拡大する必要があり、ところが政府の規制により、住宅貸付以外のビジネスは出来ないため、当時のCEOが決断したのはサブプライムの貸付もすることでした。



そこが、そもそもの間違いの始まりです。ファニーメイ自体もそれらの債券を証券化して、外部にも売っていましたが、もちろん自分たちのバランスシートの中にも、それらの資産がありました。



結果はご存知の通りですが、資金の流れが止まり、土地価格が上昇から下落へと転じ、サブプライムの債券の焦げ付きがどんどん拡がっていきました。そうなると、ファニーメイは存亡の危機に陥りますが、そもそも政府が救済することが規定されているので、政府がお金を拠出して、救済することになりました。



それにも関わらず、彼らの業況は改善せず、二回目の政府からの資金投入が議論されています。



そこで、住宅金融支援機構です。ハッキリしているのは、中途半端な民営化は政府のリスクを上げるだけになります。民営化するのであれば、完全に政府から切り離すべきです。それがファニーメイの失敗から学ぶことです。政府機関として残すのであれば、この機関の意義をもう一度問い直す必要があります。公団にしてもそうですが、住宅金融公庫の歴史的意義は薄くなりつつあると思います。そもそも、日本の銀行は資金過剰であり、住宅モーゲージは彼らが注力したい商品であることを考えると、政府がこの規模の機構を維持している意味があるのかは十分問われる必要があると思います。



ただ、少なからず政府が補助的に存在する意味もあると思われるので、そのバランスをどう考えるかが重要な点なんだと思います。これ以上は、政府の中の数字を見れる人でないと判断できないことですが、現状の日本を鑑みると、今の規模は少し大きいのかなという気がします。



そうすると、政府機関として残すのであれば、モーゲージの金利を上げるべきだと思います。少なくとも銀行の住宅向け金利よりも高く設定し、銀行が貸し付けしない人を救済すべきで、その高い金利によって、もう少し高いレベルの貸し倒れを吸収することが出来ます。



ちなみに、この資産を証券化することに関してですが、完全民営化をして、彼らが独自に調達するために証券化するのであれば、それはしかるべくではないでしょうか。政府傘下にいる限りにおいては、いずれにせよ、どんな債券でも証券化でも政府保証を付けざるを得ないので、そうだとすると、国債で調達するのが一番理にかなっていると思います。