厚労省の審議会は最低賃金を平均で15円引き上げて、728円とする答申内容を決めたそうです。
(リンク先の時事記事から引用)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100805-00000032-jij-pol



最低賃金が2%程度引き上げることになるんですね。これがどのような影響を与えるかということですが、必ずしも雇用者全体の賃金の上昇を導くとは限りません。春闘の季節が来るまで結論はわかりませんが、正規の従業員を最低賃金で雇っているところは限られていると思われるので、直接的な影響はないだろうということです。



ただ、最低が引き上げられるので、全体的に賃金が引き上げられる可能性はあります。



そうなると、企業セクターとしては販売価格に転嫁するということになるでしょう。日本全体として平均賃金が上がって、その分を販売価格に上乗せすると、基本的には問題はないです。



賃金の2%の上昇があったとしても、価格転嫁が2%であるとは限りません。労働分配率が100%ではないので。仮に6割だとすると、1.2%分上乗せで相殺できます。ただ、労働コストのうち賃金が占める割合は100%ではないので、賃金分だけだともっと少ないインパクトになります。



それに企業が利潤を乗せたり、購入費が上がった分を乗せたりするわけですが、物価の上昇は賃金の上昇よりマイルドなはずで、国民にとってはプラスになると思います。



問題は為替ですね。物価の上昇と為替には短期的に直接的な関係はないので、方向性は判然としませんが、もし円安を導くと、その分だけ国民の購買力は落ちます。ただし、輸出にとってはプラスに作用します。このインパクトも計算はできますが、計算式が当たらないので、インパクトは分からないというのが正確な答えだと思います。



次に重要なポイントは生活保護との関係ですね。生活保護の計算方法と支給額を変えなければ、より最低賃金の近いところで働いた方が良いという計算になると思います。日本の生活保護の水準は高いような気がするので、生活保護の水準感を維持したまま、最低賃金だけを引き上げるのはインセンティブが働くと思います。ということなので、生活保護の仕組みと計算方法は当面据え置いて、労働のインセンティブをもっと高める方策を取るのが、政府の進むべき道だと思います。