フォックスコンが賃上げをした話を前に書きましたが、ホンダも二回目の賃上げを求めて、労働者がストライキを始めました。中国政府がどう考えているか知りませんが、今の時期に賃上げというのはあんまり良くないかもしれないですね。



ここから冬に向けて、製造業的には繁忙期になってきます。中国は季節工や期間工がたくさんいて、繁忙期になったときに、賃金の高い工場に人が流れていくでしょう。とくに広東省は今人が労働者が足らないと言われているので、大きな問題になるかもしれないですね。そもそも、ホンダがあるのもフォックスコンがあるのも、両方とも広東省です。



広東省は中国でおそらくトップの輸出基地です。アメリカ向けの製品は多くでここで作られます。結果としてですが、アメリカの経済が沈んだ2008年後半からはほとんどの工場の稼動が止まり、倒産や夜逃げが相次ぎました。2009年中盤からは落ち着いてきて、2010年に入る頃には、労働者不足といわれるようになってきました。



中国人の期間工は旧正月に向けて故郷に帰るのですが、中国の内部のインフラ構築政策と地方中核都市開発政策により、沿岸部の工場に出てくる必要が今のところ薄くなりました。そこで2010年に入る頃から労働環境が変わりだし、旧正月明けの3月くらいからは人繰りが難しくなってきています。



その環境の中で、フォックスコンとホンダが値上げをしたわけですね。この流れが中国全国的に広がりつつあります。台湾系の企業は明らかに賃上げのターゲットになっています。たぶん、ホントに低いんでしょうね。



いずれにせよ、燎原の火のごとく賃上げの動きが加速しています。これが季節的な繁忙期に向けての動きなので、おそらくかなりの賃上げになるでしょう。それに対抗して人を集めるためには、やはり賃上げが必要となるので、かなりの拡がりを持つことになるでしょう。



ただし、賃上げをしただけではものごとは解決しません。今回、平均的にはどれくらいの賃上げになるか分かりませんが、30%くらい上がっても不思議ではないでしょう。労働分配率が50%くらいだとすると、売り上げに対してコストは15%くらい上がることになりますね。ということは限りなく15%に近いレベルの製品値上げになるということです。あくまでも平均が30%であればの話ですが。



とくに、誰もが賃上げする状況になると、製品値上げもし易くなるし、結果として更なる賃上げ要求もあるかもしれません。中国政府が何を考えているのか知りませんが、ある程度で抑えないと大変なことになると思うんだけどなぁ。そういうことまで頭が回らないのかもしれませんが。