日本電子書籍出版社協会というところがあります。少し名前は長いですが、何をするところかははっきり分かりますね。HPは、
http://www.ebpaj.jp/us.html



このページに行くと、誰が参加者かはわかります。これを見ていると、大手の何割かは抑えていることが分かります。朝日が一番上に来ていますが、あいうえお順だからで他意はないと思います。角川・講談社・集英社・小学館・新潮と入ってます。日経も入ってるし、読売系の中央公論も入ってます。



全部じゃないにせよ、かなり網羅していますね。



それで何をしているかと言うと、電子出版事業に関する整備と情報収集をやっているわけですね。それも分かるような気がします。業界として情報を集めておいたほうがコストは安いし、それ自体に問題はないですよね。



運営サイトがあって、文庫本も売ってるんですね。ちょっと法的にギリギリですね。まぁ、まだ普及してないし、これからの話なのでいいですが、ただで配るならともかく、日本電子書籍出版社協会が電子書籍に値段をつけるのは問題でしょうね。まだ小さいので問題視されないでしょうが、完全に独占禁止法には違反していますね。



そういえば、ソニー・凸版・朝日新聞・KDDIで電子書籍配信事業の企画会社を作るという話がありましたね。なるほど、端末と本屋/印刷屋と出版社とネットワーク会社が入ってるんですね。これってオープンな規格になるのか、それとも彼らだけの仕組みになるのかどっちなんでしょうね?朝日が入ってるということは、この日本電子書籍出版社協会というのも最終的に絡んでくるんでしょうね。



まだこれからの話でどうなっていくか分かりませんが、この日本電子書籍出版社協会が変な独占的な力を持たないようにした方がいいと思いますね。これはあくまでも電子書籍の整備と情報収集に関する協会であって、著作権を一元管理するのはやめた方がいいと思います。



そもそも、出版社と消費者の関係は公平ではないので、著作権を一元的に管理して、一義的に決定すると、公正な競争は達成されません。



公正な競争が達成されないだけで、一元的に管理されることによってより普及するんだったらいいですが、過去の日本で起こったことは逆ですね。こういう団体が世の中の発展をとめることがしばしば見られました。自由を阻害するわけですね。



新しいものが入ってきて、世の中が変わろうとしているときに、既得権益の人たちが今ある自分たちの力を使って、ものごとの発展を遅らせたり、あるいは新しい制度の中で不当利益を生み出そうとすると、日本は他の国と違うシステムを使ったり、温存したりすることになるわけです。ガラパゴス化とか言ってるのは、それのひとつの表れであって、根本的な問題はこういうものごとの考え方や態度にあります。



この団体がどういう方向に行こうとしているか分からないし、出版社の方々なので、まさか自由を阻害する方向に持っていくとは思いませんが、不公正な競争を導くものであったり、独占による不当利益を生み出す仕組みが出来上がることがあれば、公正取引委員会は断固とした対応を早い段階でとって欲しいですね。