事業仕分け自体には法的拘束力があるわけじゃないので、ここで出た結論がそのまま最終結論にはならないです。それは前回のときにもありましたよね。とは言え、何かが決まるとインパクトは大きいので何もなしという可能性は低いのでしょうね。無駄を削ることは良いことだと思います。ただ無駄かどうかを判断するのが難しいものもあるので、どう判断するかって本当に難しいんでしょうね。
何が仕分け対象になっているかは、リンク先の産経記事を参照ください。
今回は最初に挙げた5つのうちの残りの3つについて書きます。NEDO、JETRO、JOGMECですね。それぞれ新エネルギー・産業技術総合開発機構、日本貿易振興機構、石油天然ガス・金属鉱物資源機構です。
まずNEDOですが、一般的に表に出てくる団体じゃないですよね。何をしているかというと、日本の産業技術の育成・強化をしています。NEDOのHPによると、もう一つとして、エネルギー・地球環境問題の解決をしているそうです。
詳細はNEDOのHPに行って下さい。
NEDOの支援は今の日本の競争力に役立っていると思います。多くの基礎技術がここの支援で維持できたのは間違いないと思います。ただ、だからと言って、無駄がないとは思いません。手をつけるべきことはあるのかもしれません。
今回仕分け対象になっているのはナショナルプロジェクト事業ですね。NEDOがやっている事業は三点あって、技術シーズ発掘のための大学等への研究助成、ナショナルプロジェクト、企業の実用化支援ですね。このうち、ナショナルプロジェクトが査定対象になっています。ところが、NEDOのHPを見ていても、全てが一緒くたに説明されているので、何がナショナルプロジェクトかは分かりません。こういう状況だと、ここに何かが隠されてある可能性はありますが、可能性の範囲でよく分かりません。
最初にNEDOの名前だけが挙がっていたときは、NEDO全てを見直すのかと思いましたが、そうではないようなので、一安心ではあります。ただ、何がナショナルプロジェクトなのかは気になりますね。無駄なものばっかりなのか、それとも必要な基礎研究がなされているのか。まぁ、見てみましょう。
次はJETROですね。これも一般的には知られていないと思います。
「貿易・投資促進と開発途上国研究を通じ、日本の経済・社会の更なる発展に貢献することをめざして」というステートメントを出していますが、そのとおりだと思います。海外でビジネスをやろうと、あるいは海外進出を考えている人たちは少なくともJETROの情報はみるんじゃないですかね。個人的には結構見ます。アジアの国は法制度等があまりにもそれぞれなので、日本語で調査されていると全然違いますね。それに日本にいる企業の方だったら、直接相談されたりもしてるんじゃないでしょうか。特に中小企業の方とかだったら。
それで何が仕分け対象になるかというと、その国際ビジネス支援ですね。今書いたように、個人的にはそのビジネス支援は必要だと思うのですが、そんなこと自分でしろって言われたらそうですね。確かに、JETROがなくても何とかなるかもしれませんが、アジアのルールって分かりにくいんですよね。海外調査がなくなるんだったら残念だというしかないですが。海外でビジネスを始めようと思う人ならそれで良いかもしれないですが、海外進出を余儀なくされた中小企業の方だと少し厳しいかな。
少なくとも、それなりの議論をして欲しいですね。
最後がJOGMECですね。これはもっと一般的じゃないですね。ここは石油公団と金属鉱業事業団の継承組織ですね。要するに一次資源を扱っている機構です。
査定対象になっている事業は、石油等探鉱・開発事業に係るリスクマネー供給(出資・債務保証)です。これも微妙なところをついてきますね。そもそも石油公団は大損失を出して潰れたわけですね。その際に、石油公団にあった優良事業は上場します。それがINPEXですね。油田なので想像が付くかもしれませんが、成功したものはかなり優良事業の確率が高く、失敗したものはそれのみでは資金の回収すら出来ないので、もちろん、JOGMECには油田の事業は残っていないわけですね。
石油公団が国民の税金で赤字補填をした経緯上、JOGMECは油田開発事業も認められていなかったし、債務保証も出来なかったはずです。ただ若干記憶違いがあるかもしれませんが。どうして、リスクマネーを認めたかというと、資源ナショナリズムが激しくなって、中国政府がそこら中の資源を買い漁ったわけですね。それも高値で。もちろん、日本企業はそれについていけないので、ラッキーな案件を取りに行くか、リスクの高い一からの油田開発をするかということになります。
そこで出てきたのは、JOGMECに出資あるいは債務保証をさせて、日本政府の力を一部借り、そのスキームからJBICからの資金調達もやりやすくなって、日の丸資源開発を進めようと考えたわけですね。
それがそのリスクマネーです。ここまでだったら、そりゃあそうかという話になるのですが、リスクマネーの供給とは、もちろん、失敗した場合はJOGMEC引いては国民が税金を払う仕組みになりますね。もちろん、プロジェクトの再保険をして、国民のリスクを緩和することは出来ますが。
これは極めて微妙な問題ですね。議論すべき内容だとは思いますが、国際状況を分かってない人が数時間で結論を出せる問題ではないと思いますよ。
ということで、経産省管轄の3つの独立行政法人を挙げましたが、すべて微妙な問題を孕んでいるので、どういう結論を出すか気になります。全てそうですが、仮に事業廃止しても、数年は何の変化もないでしょう。影響が出てくるのはもっと先の話です。これを判断するのは難しいですね。それを扱う枝野さんの手腕は如何ほどのものか見てみたいです。
ちなみにですが、この前、経団連の成長戦略について書きました。選ばれた事業群は全て経団連の成長戦略に組み込まれているものです。それぞれ環境・エネルギー、アジアとの更なる交流、海洋資源開発ですね。文言は若干違うと思いますが。それも、選ばれた事業は、ある意味、その成長戦略を助ける上で欠かせないものとも言えなくないわけです。まだ時間はありますが、何も言わないつもりなんですかね。まぁ、変に発言して、誤解・反感を生み出してもまずいですが。