今の政治状況の中で興味深いと思うのは、以前より政策論争というか政治理念の主張が増えてきてますよね。とくに新党の人たちは一定の方向性を標榜されていて。その中で、どれが正しいかというのは難しい議論だし、理念レベルで妥協点の見出せるものではないけれど、その中で交わされる政策議論が実のあるものになるといいいですね。


と思ったときに、ふと連立政権内の社民党は何を標榜しているんだろうと気になりました。今までは気にしたこともありませんでしたが、政権内にいることだし、見てみようと。で分かったんですが、社民党は社会民主主義の政党ではないんですね。勝手にそう思ってました。


社民党のマニフェストを引用してみましょう。これは社民党のHPにあります。

 政治は大金持ちや大企業、ましてや世襲政治家のためにあるのではありません。国民一人一人の生活の安定と将来の安心を保障するためにあるのです。

今度の総選挙は、市場経済至上主義の「競争社会」から「支え合いの社会」へ、「格差拡大の経済大国」から、「平和で豊かな福祉社会」へ、政治の舵を大きく切り替えるチャンスです。世界も大きくこの方向に動いています。

そのために社民党は、新しい連立政権をめざす中で、次の4つの基本政策を実現します。


(1)格差社会を正し、雇用と社会保障を再建します。

(2)大企業中心の輸出最優先の経済から、人々の暮らしや地域をしっかり支える内需中心の経済へ転換します。

(3)金持ちや大企業優遇の不公平税制の是正、財政支出の抜本的見直しなどで財源を捻出します。

(4)9条(戦争放棄)、13条(幸福追求権)、25条(生存権・環境権)など、憲法理念を実現します。


これがマニフェストの理念にあたる部分ですね。




市場経済至上主義から「支えあいの社会」「平和で豊かな福祉社会」ということですが、民主党もそれに類する市場原理主義等の言葉を使いますが、僕は日本がそういう状況になったという認識があまりないです。アメリカは確かにそういう状況にあったと思いますが、日本はもっとマイルドだったと思います。




そもそもね、資本主義はやりすぎるときはありますよね。マルクスが経済学批判の中で展開した資本の収奪のような話は、その当時はあったわけですね。ただ、マルクスが間違えたのはそれの解決が社会主義や共産主義だと思ったことでしょ。それに対して、社会民主主義は一定の回答を出して、初期資本主義に見られた行き過ぎを、労働法制や再分配政策を通して解決していくわけですよね。




ただ時代を経るとともに、社会全体に社会民主主義的な合意というのがなされて、ほとんどの人が再分配に反対しているわけではなくなってますよね。




ここで重要な点は、社会民主主義というのは資本主義の修正であって、社会主義ではないということです。資本の再分配にせよ、価格の決定にせよ、市場が価値の決定をするものであって、社会主義のような国家がその価値や配分の決定権を持ってるわけではないです。ただ分配がおかしいと思われるときに、国家を通して再分配するということですね。




翻って、社民党の4つの基本政策の背後にあるのは何ですかという話ですね。一つ目は大企業と金持ちからもっとカネを取ってきて、労働者にばらまくということですね。それで市場経済至上主義の批判というレトリックを使って、資本主義自体を批判していると思います。その後の項目を読んでいけば分かりますが、税金の種類や税金自体をもっと増やして、国家が再配分を決めようとしていますね。これは何に一番近いかというと、プロレタリア革命の第一段階に一番近いですね。




もう一つのテーマは平和ですね。どういう理念に基づいているのかは分かりませんが、彼らが主張しているのは米軍の縮小・撤去、グアム移転協定の廃止、6ヶ国協議の枠組みを発展させ、北東アジア地域の総合安全保障機構をつくるということです。要するに、アメリカだけとの枠組みよりも、中国・ロシア・北朝鮮が入った枠組みの方が良いということですね。その下で自衛隊の縮小。




社民党はもともと社会党左派なので、中国・ロシア・北朝鮮に親近感があるんですかね。



次の選挙もこの方向性で戦われるんでしょうか。おきばりやす。