一時間以上掛けて書いたものが一瞬で消されてしまいました。悲しい。気持ちを取り直して、もう一度書きます。


今回の郵政の改革の中での政治家の役割も気になります。

郵政は一度民営化の方向に舵を切られたわけですが、今回の政権になって、逆方向への改革になりました。その旗印は国民があまねく簡便に郵政のサービスを受けられるようにしようということです。それ自体は議論として十分成り立つことだと思いますが、背景にある強力な利益団体が改革の推進力の一つになっていることは間違いないです。それは特定郵便局長会と旧全逓を中心とする郵政の労働組合です。両団体とも日本を代表する圧力団体で大きな集票力もあります。要するに利益誘導政治が背後にあるわけです。


ただ、この利益誘導政治自体が悪いのかというのも議論の余地があるところです。現実問題として、いろんな利益団体の行動を通して、民主主義的な決定がされている側面もあるので、利益誘導政治だから必ずしも悪いというわけではないです。ただその内実がどういうものなのかはもっと議論されてもいいんじゃないでしょうか。


国民新党は特定郵便局長会と深い関係にあります。そもそも国民新党自体が小泉政権下の郵政民営化に反対して誕生したものなので、当たり前といえば当たり前ですが。そして民主党はもちろん労働組合の支援を受けているわけです。それならば、現郵政の既得権益を守る方向に議論が進むのは当然ということになります。そこに正しさの議論の必要性はないです。もちろん、小泉さん自体も古くから宅配事業者の支援を受けていたわけで、だからこそ郵政民営化が存在したわけです。これが政策決定の一側面であることは間違いないです。


それがどれほどのものかと言うと、国民新党は特定郵便局長会に向けて自らの成果をアピールしています。
下の産経の記事を参考にしてください。


票を獲得するために行動するのは選挙が存在する以上当然のことかもしれませんが、それが一部の特定既得権益のためだというのはもっと議論されてしかるべきじゃないでしょうか。それから資金の動きももっと議論されてもしかるべきだと思います。時間がないので政治団体の収支報告書は細かくは調べられないですが、郵政政策研究会と国民新党の関連団体の間で資金がぐるぐる回っているのも気になります。公表されていることなので、悪いことがあったとは思いませんが。


そういうことを議論しないと、多くの有権者には何があったのか分からないような気がします。


首相は民業圧迫に反論する中で、ここ10年で郵貯・簡保は100兆円も資金が減り、大変厳しい状況だと言っています。首相は専門家じゃないので仕方がないかもしれないですが、177兆円の郵貯はとても大きくて、それで厳しい状況にあるなら、そもそもビジネスのあり方に問題があるはずです。この金額というのは世界最大で、119兆円の預金量の三菱UFJよりも遥かに大きいです。それで郵政各社の決算を見たのですが、ビジネスが悪いようには見受けられません。郵貯は莫大な黒字を出しています。何を見て厳しいと言っているのか分かりませんが、もしかすると、親会社にあたる日本郵政の事業計画のことを指しているのか、ペリカン便の関連で赤字になったと言われている郵便会社のことを指しているのかもしれませんが、連結された全体が厳しい状況にあるとはとても思えません。どうも首相のところまで真実が届いていないのかもしれないですね。


それと同時に首相は郵政を単なる国債の引き受け機関以上のものにしたいと仰いました。それはそれで良いことだと思いますが、国民新党の代表は資金の運用先として公共事業への投資を挙げていました。それは財政投融資と変わらないです。そもそも箱物にしても高速道路にしても飛行場にしても、収支が別会計になっていたもの中で極めて非効率な投資があったわけです。たとえ仮に最初の意図が素晴らしかったとしても、多くの場合腐敗していくものです。


それ以上に、そもそも郵政なり郵貯・簡保の運用先はその会社の経営者が考えるものであって、政治家が考えるような種類のものではないです。確かに、郵政は国の傘下にあり、なおかつ大きな存在ではあるので、政府が一定の制限を与えるのはあってしかるべきだとは思いますが、運用先を政治家が決定するのは考えられないです。そもそも法的にも、国民からしても、合理的に考えても、政治家がそれに関与する正当性はないです。それは権力の濫用です。前原さんの国家ファンド構想にしても同じです。


内容は以下の産経の記事を参照してください。


仙石さんは上限額を引き上げることに反対していましたが、閣議決定の後にそれに従ったのは政治家としてあるべき姿だと思います。それに従うか辞めるかの選択肢しかないので。上限額に関しては今後の推移によって変更できるということで納得されたのでしょうが、だとしたら法案の中にそれを書くべきです。おそらく条文自体に上限額が書かれていると思われるので、その項目に見直し条項を入れるべきです。3年ごとに見直すのようにハッキリと書くのがベストですが、適宜見直すでも妥協できる範囲でしょう。そうでないと、頑強に反対する人たちが出てきて、変更の議論をするのが大変になると思います。


今回の議論の中の政治家のふるまいを見ていると、古い政治のあり方と民主党流の軽い認識と発言がいろいろ出てきます。首相は自分がリーダーシップを取って決断したと仰いますが、何を見て何を決断されたのかが良く分かりません。単なる金額以上のものがあるように思うのですが。