アメリカの大統領とギリシャの首相が会談をした際に、投機に対する規制を強化する話をしたようです。原典はCNBCのニュースで英語で書いてますが、リンクを参照して下さい。
http://www.cnbc.com/id/35784903


 全くの自由というものが必ずしも正しい結果を生むわけではないので、投機に対する規制はある一定の範囲でされるべきでしょうね。それがどの範囲かというのは難しいですが、基本的には需給や力関係に著しい不均衡があるなら政府は規制すべきでしょうね。要するに市場が機能しない状況で市場をに価格決定や価値決定を任せたところで、全く意味はないですよね。あとは市場を機能させるための制度化ですね。


 ただ、今まで根源的に何が必要かなんて考えたことはなかったです。また勉強してみます。


 今回の内容は何かというと、ギリシャの国債の価値が暴落した際に、投機家のせいで国家が破綻しかけたので、そういうことは許されないというのがギリシャの言い分です。それで中心にあるのは、クレジットデフォルトスワップ(CDS)を規制して欲しいということです。CDSを説明するのは難しいですが、極めて単純に言うと、ある会社の債券を持っている人がその会社が潰れると債券の価値が0にはならないにしても目減りしてしまうので、その目減りを避けるための保険がCDSです。無料の保険だとみんな入りますが、保険料が掛るので、どうするか考えますよね。じゃあ、保険料はどのレベルかと言うと、日本の場合だと国債の金利とその保険料を足すと、その会社の調達金利になります。投資家側からすると、その会社の債券を持って、CDSで100%カバーすると、国債の金利と同じになるということです。


 では、なぜギリシャがCDSにクレームをつけたかと言うと、ギリシャが資金を調達する際にはCDSの価格分だけコストが掛かるからです。ただギリシャの力ではどうしようもないので、アメリカにお願いをしたということです。ところが、アメリカも自分だけで決めることが出来ないので、G20で話し合いあうことになりそうです。


 でも、中身は何かまだ分かりません。アメリカが答えた内容は、トレーディングの透明化と一般的なデリバティブのクリアリングシステムの話だけです。要するにCDSの規制はやらないんじゃないでしょうかね。おそらくクリアリングシステムの導入がメインでしょうね。説明が難しいのですが、今のCDSは擬似市場の近くて、参加者間で相対取引をしている側面もあるけれども、そもそものCDS自体が市場参加者の間で取引されている側面もあります。業者間で取引されるほぼ市場なんだけど、そうじゃない場合もあるということですね。




 では、具体的に何をするかというと、相対の決済ではなく、取引市場を通す決済システム(これがクリアリングシステム)を導入し、デフォルトを排除するために証拠金に近いものを要求し、そうなると誰がどんなポジションを持っているかがすぐ分かるようになります。こういうことだと思います。要するにアメリカ自身はギリシャのことはほとんど気にしていなくて、CDSで崩壊したAIGのようなことが二度と起こらないようにすることと、このCDSのマーケットをアメリカの利益になるようにしたいんでしょうね。




 ただ、CDSを取引所化しても、今までの参加者には全く何の利益もないので、強制でもしない限り乗ってこないような気がします。そういう意味でG20で話すことには意味があるのかもしれないですね。アメリカだけが規制をしても、すぐに海外に逃げてしまうので。そんな強制をするよりも、参加者にメリットを与えれば、問題は解決しやすいと思います。例えば、取引所を通したCDSのリスクアセットのクラスを変更するとか。これはどういう意味かというと、バーゼル規制下にある銀行はデリバティブに関してかなり高いリスクウェイトを掛けないとだめですが、その掛け目を下げるということですね。単純にいうと、取引所を通してある程度リスクはコントロールされているので、他のデリバティブよりも安全に評価するということですね。




 いずれにせよ、次のG20でこのことは議論されるでしょう。次の予定は4月23日でアメリカに各国の財務大臣と中央銀行総裁が集まります。