10年後の競輪(短編読み切り) | まるちりんは土屋珠里を応援します

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土屋珠里選手が優勝したら作ろうと思っていた横断幕を、勢いで作ってしまったので、これを機に応援ブログを始めます。

10年後の競輪

 

 2028年もあとわずか。数時間後には年が明けるというのに、私は相変わらずナイター~ミッドナイトと競輪を打っている。何も変わってはいない。

 

 いや、変わった。そう、変わってしまったのは競輪のほうだ。あれは忘れもしない、2022年のこと、施行側が何を血迷ったのか、大幅な改革を行ったのだ。特にひどかったのが、落車に対して車券の返還を行ってしまったことだ。これには、往年の競輪ファンからは大ブーイングが起こった。

 

 その改革のあと、売り上げ不振から雪崩式に競輪場が潰れていった。2028年末の現在、残っているのはたったの25場。潰れた場は、場外発売もするわけでもなく、解体費用もままならずそのままにしてあるところもある。私の生きている内に競輪がなくなってしまわないだろうか。

 

 そうそう、あと変わったのが、ガールズケイリンが廃止になったことだ。ただでさえ人気のない競輪の中で、さらに人気がないのだから仕方のないことだ。強い新人が現れず、若い連中ほど自分で動かず着拾いをしているのだから盛り上がるはずがない。40歳過ぎた奥井選手の最後の先行は今でも目に焼き付いている。今では、記念競輪開催時に、競技に出ている人がエキシビションで走っているくらいか。もちろん、追っかけのガヲタは絶滅危惧種だ。

 

 おっと、もう21時か、これまたいつものごとく、ナイターは当たらない。

今年最後の小倉ミッドナイトも当然やる。それにしても、橋本悠督さんは頑張っているね。かねりんの中の人は、沖縄で市会議員やっているし・・・

 

 さて、話を戻そうか。落車返還は私たち競輪仲間のあいだでも当然、改悪で一致していた。当初は、落車全てが返還だったのだが、当然すぐ問題が起きる。大量落車で普通にゴールしたのが1人、ただ再乗してゴールした選手が3人おり、一応4人がゴール。これが揉めた。2,3着はいいとして、4着の選手は車券に絡んでいない。落車しているがゴールはしている、でも車券外。確か、これを境に、落車して且つ棄権したら、というのが付け加えられたはず。

 こういうのもあった。落車した選手が歯を食いしばって再乗してゴールへ向かっているのに、何人もの客が、「おい!、再乗したら返還されねーだろ!」とか「そのまま寝てろ!」とか、一昔前だったら、ゴールまで暖かい応援の声が響いていたのに。怒りと悲しみが入り混じって、やるせなくなった・・・

 

 次は、相次ぐ閉鎖の競輪場だ。10年前選手は、2200人くらいいたはずだが、今では1300人くらいしかいない。競輪学校も生徒の数を減らしている。人数が減って、かつ高齢化と、流れは悪い方向にしかいっていない。他の公営競技、競馬、競艇、オートはギリギリ現状維持を保っているけども。考えれば考えるほど、私の老後には競輪がないと思えてしまう。

 

 最後に、ガールズケイリンか。これはいいや。みんな第二の人生を幸せに送ってくれ。

 

 お、小倉ミッドの4R当たった!残りも的中させて、2028年を締めくくりたい・・・・

 

 

なんてことにならなければいいな、って思いながら書きました

 

これは、フィクションです