妻の○○回目の誕生日。 例年の如く年の数だけの薔薇の花を贈った。

夜は、近所の親しくしているイタ飯屋で、特別上等なワインでその日を祝った。

二人の子どもたちにはお年玉を、夫婦には発泡性のイタリアワインを年始代わりに渡した。 気を遣った奥さんは、他には客の居ないのを見計らって、子どもたちを連れて来てくれた。 上の男の子の名前は古風で、字は違うが妻の祖父と同じ名前、下の女の子も名前は今時にしては古風な名前だ。

特に男の子を見ていると、もう直帰ってくる長男がまだこんな風に愛らしかった頃を思い出す。 失った時間はもう二度とは帰ってこない。