円安によるPCパーツの値上がり | マルチニーズシステムのブログ

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ITmedia PC USER 11月10日(月)14時42分配信

円安によるPCパーツの値上がり、アキバで本格化

10月末から続く急激な円相場の動きはPCパーツの値段に大きな影響を与えている。先週から複数のショップでHDDとメモリ、CPU、SSDの一部が値上がりしており、今週はこの動きが本格化するとみられている。

 某ショップは「先週の仕入れ値ですら1ドル112円くらいの水準に上がっていましたが、今週は115~116円になりそうですからね。円安自体はここ2年の動きなので、我々ショップ側もメーカー代理店側もある程度は対応できるように準備していますが、今回ほど一気に安くなると吸収しきれませんよ」と述べる。

 先週の段階で「4TバイトHDDには一週間で1000円上がったものもあります」(TSUKUMO eX.)といった声を聞いたが、同程度に上がるパーツがこれから多数出てくるのは確実な状況だ。

 PCパーツのほとんどは輸入品のため円安になると仕入れ値が上がる。小幅の変動なら国内の販売代理店やPCパーツショップの在庫調整で吸収できるが、今回のように1週間で5円を超える大幅な動きがあると販売価格に反映せざるを得なくなる。特にPCパーツショップが密集するアキバは、他店の値上げが周辺に波及しやすい特殊な事情もある。「他店が値上げした状態でウチだけ踏みとどまっているとあっという間に在庫がなくなるので、結果として歩調を合わせることになるんです」(某ショップ)。

 そして、今回の値上がりの動きは年末ごろまで続くとの見立てが多い。TSUKUMO eX.は「為替の動きが一時的なものでないですしね。すでに代理店レベルでボード類の値上げの打診も届いていますし、あらゆるジャンルのパーツに影響が出るんじゃないかと思います」と予想していた。

 パソコンSHOPアークは「場合によっては2013年初頭に近い影響が出るかもしれません。ここ最近は街全体で円安慣れして混乱は起きていませんが、さすがに今回は影響が大きいでしょう」と語る。

 そうした事情を熟知している常連はすでに先週から駆け込みで買い物している。BUY MORE秋葉原本店は「大容量HDDやCPUなどは年末までに買う予定のものを先に調達するという方がみられますね。メモリは元々年末に上がる傾向があるので、そこまで大きな変化はありませんが」と話していた。今後については「早めに買うのが得策」という。同様のコメントは質問したすべてのショップで聞いた。

●GDDR5メモリ8Gバイト搭載のRadeon R9 290Xカードが登場、即品薄に!

 先週はハイエンド系グラフィックスカードの新製品が豊富だった。特に話題になっていたのは、SapphireのRadeon R9 290X搭載モデル「VAPOR-X R9 290X 8GB GDDR5 PCI-E TRI-X(UEFI)」だ。GDDR5メモリを、シングルGPUでは珍しく8Gバイトも積んでいるのが最大の特徴となる。価格は7万6000円前後。入荷数が少ないこともあり、即座に売り切れとなるショップが相次いでいる。TSUKUMO eX.は「研究目的で買われていく方が多いようです。R9 290Xは演算処理に定評があるので、大容量メモリもそこに生かされるのではないでしょうか」と話していた。

 NVIDIA勢では、ギガバイト「GV-N980WF3OC-4GD」とGALAX「GF PGTX980-SOC/4GD5」という、ともに3連ファンを搭載したGeForce GTX 980のオーバークロックモデルが登場している。価格は順に8万円前後と7万5000円弱だ。

 パソコンSHOPアークは「効率的に冷却して高クロックで回したい人にかなりラインアップが充実してきましたね。GALAXのモデルは補助電源が8ピン×2基になっているのもポイントです」と語る。

 そのほか、ZOTACからはGeForce GTX 970搭載の「GeForce GTX 970 AMP! Extreme Edition」も売り出されている。価格は6万3000円前後だ。

●21:9の34型曲面ディスプレイ「34UC97-S」が話題に

 液晶ディスプレイは、先々週末に登場したLGエレクトロニクスの「34UC97-S」が注目を集めている。アスペクト比21:9の34型モデルで、左右端に対して中央が奥まる形の曲面パネルを採用しているのが特徴だ。解像度も3440×1440ピクセルと広い。価格は12万8000円前後だ。

 複数のショップでデモ機を展示しており、熱心に品定めしているユーザーの姿をよく見かけた。BUY MORE秋葉原本店は「これだけ画面が広くても端から中央まで等距離に近い間隔で眺められるので、独特の没入感があります。映画を見たりゲームをプレイしたりすると楽しいと思います。21:9タイプはデュアルディスプレイ代わりに購入する人もわりと多いので、操作パネルの多いソフトを扱うために選ぶ流れもあるでしょう」と話していた。売れ行きもまずまずとのことだ。

 液晶ディスプレイは1万円から買える21.5~24型のフルHDタイプが安定して売れているが、最近は34UC97-Sのような高付加価値モデルの需要も伸びてきているらしい。同店は「4Kディスプレイのような高解像度タイプや、EIZOの高リフレッシュレートモデルなど、明確な特徴があるものは着実に売れてきている印象がありますね。タッチパネルタイプは止まったままですけど……」と話す。曲面液晶もニーズが高まれば、高級路線のままブレイクする余地がありそうだ。

●NAS機能つきメディアプレイヤーキットや、Quark X1021搭載の小型開発ボード「A1SQN」が登場!

 そのほかのジャンルでは、アユートのNAS機能付きメディアプレイヤーキット「Media Emperor II」がソフマップ秋葉原リユース総合館で売り出されていた。価格は1万8144円だ。

 最大2Tバイトの3.5インチHDDを搭載し、ギガLAN上でNASとしても利用できる。出力端子にはHDMIやコンポジット、同軸デジタルなどをそろえる。再生可能な動画フォーマットは、DVD-ISO、BD-ISO、H.264、MPEG-1.2、Xvid、WMV9、MJPEG、FLV1など。同店は「SATA 2.0対応ですが、手持ちのHDDを生かすのに面白いアイテムだと思います。普通にNASとして使えるので、保存するデータを選びませんしね」と話していた。

 パソコンハウス東映のショーウインドウで異彩を放っていたのは、スーパーマイクロの開発用小型ボード「A1SQN」だ。TDP 2.2ワットで動作するインテルのSoC「Quark X1021」を搭載しており、基板サイズはE100規格準拠の104.1(横)×101.6(縦)ミリとなる。512MバイトのECC DDR3メモリをSoCに内蔵し、拡張用にMini PCIeスロット2基とZigBeeモジュールソケット1基、また、ストレージ用にmicro SDHCカードスロット1基を用意する。価格は1万8980円だ。

 同店は「Galileo 2よりもメモリ容量が大きくて拡張の余地も広い仕様です。開発向けボードの選択肢として需要を伸ばしてくれれば」と期待していた。

[古田雄介&ITmedia アキバ取材班,ITmedia]