世界経済の先導役に… | エコピープルの経済・金融トピックス

世界経済の先導役に…

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 やわらかな春の日差しが嬉しい季節、皆様はこの春光うららかな時期をどのようにお過ごしになられているのでしょうか。


 2009年度も残りわずか。企業では3月期の決算期末が近づいておりますが、リーマンショックの影響がまだ強かった昨年の今頃に比べますと、状況は随分改善されています。日経平均株価も昨年度末の8109円に比べて大幅に高く、自己資本や企業年金にも好影響を及ぼしておりますので、多少なりとも安堵感を抱いて決算日を迎えることができる、という上場企業経営者も多いのではないでしょうか。銀行でも、例えばメガバンク3行の場合、昨年度は保有株式の減損処理もあって数千億円の最終赤字を計上しましたが、今年度に含み損が発生するのは日経平均株価で7500~9500円といわれておりますので、昨年度のような事態に陥ることはなさそうです。また、今年度は日本航空の法的整理があったものの、不良債権処理の損失額は昨年度よりも減少の見込みとなっています。尚、日本航空の破綻が海外マネーの呼び水になり、株価を押し上げる一因になったともいわれています。日本でも不振企業が淘汰される仕組みが(ある部分、意図的に)出来上がりつつあり、割安な株価を示している優秀な技術やノウハウをもった企業を買収しようと考えている外国人投資家も多いものと思われ、今年に入って彼らの買い越し額は約2兆円に達し、既に昨年の年間実績を上回っています。外資に国内企業が買われるというのは少々淋しい部分もございますが、今後も海外マネーが株価を押し上げ、国内経済活性化の一助になってもらいたいものです。一方、懸念材料が多いこともいうまでもなく、円高や国際会計基準の動向に引き続き注視していかなければなりません。


 さて、日本経済の底上げ役としても期待されている海外マネーですが、現在、金融危機後にいち早く回復を遂げているアジアのマネーが世界で頭角を現しはじめています。日本でも昨年、韓国国民年金公団(保有資産22兆円)が米国投資ファンド運用会社カーライルと共同で、都内湾岸地区の東雲(しののめ)にある大型オフィスビルを購入したことが話題になりました。この年金公団は同じく昨年、英国HSBCのロンドン本社を7億7250万ポンドで買収しています。また、中国の外貨準備残高2兆4000億ドルの内、2000億ドルを預かっている中国投資有限責任公司(CIC)が米国証券取引委員会に提出した資料によりますと、昨年末時点でCICが保有する米国上場株式の時価総額は96億ドルにも及ぶそうです。設立直後にモルガンスタンレーやブラックロックといった金融関連銘柄に巨額投資したことは記憶に新しいですが、現在では異なる業種にも積極的に投資し、また、株式に限らず商品や不動産にも分散して投資をしているようです。金融危機後にその存在感を低下させ続けているオイルマネーに取って代わり、アジアマネーは世界経済回復の原動力になっていくに違いありません。


 閑話休題。3月1日発売の弊社書籍「20代からはじめるかしこい現物不動産投資」(幻冬舎)ですが、おかげ様で1ヶ月経ちました現在でも、皆様からたくさんの反響をいただいております。投資、不動産、金融について初心者の方にもわかり易く書かれておりますので、まだお手元にございません方は是非ともお買い求め下さい。ご意見・ご感想なども伺えれば嬉しい限りです。宜しくお願い申し上げます。



     環境社会検定試験(eco検定)合格エコピープル
     社団法人不動産証券化協会認定マスター
     1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
     1級ファイナンシャル・プランニング技能士
     マンション管理士
                  企画室  深澤 智広