住宅編 第16回 ハウスメーカーの営業マン | 「不動産リテラシーの向上で老後の安心生活を」シリーズ投稿始めます

「不動産リテラシーの向上で老後の安心生活を」シリーズ投稿始めます

中小企業診断士 桑岡伸治のブログです。このたび、「老後の安心生活」実現を目的に、不動産に関する様々な情報を提供するシリーズ投稿をはじめます。
はじめにプロローグをお読み下さい。
ひとりでも多くの方が、Happyになりますように!

 家づくりを思い立った時、とりあえず住宅展示場を訪れるという人は多い。

 家づくりのパートナー候補には、設計事務所もあれば地域の工務店もあるのだが、知り合いがいたり、身近な人から紹介を受けるといったことでもない限り、とりあえず住宅展示場に行ってみる。

 

 そこで出会うのは、様々なタイプの営業マンだ。経験豊富なベテランならいいかというと必ずしもそうでもなさそうである。なんだか、うまいこといって丸め込まれている気がする。彼らの仕事は、「とりあえず契約まで」。自分の報酬のためだけに働いているのかとすら思える人もいる。何しろ自分が言いたいことだけ言って、こちら(客)の希望なんて、聞こうともしない。

 

 「若い子」は、熱心でかわいいが知識も経験も乏しい。それはそうだ、20代、30代、家を建てた経験も買った経験もないどころか、下手すると「去年まで大学生でした」なんて人もいる。

 だからハウスメーカーは、しくみで売ろうとする。

 商品カタログを拡げ、マニュアル通りしゃべれば説明は完了する。鉄骨系の会社の彼は「木造(の家)は火災に弱い」といい「木質系の会社の彼は「鉄骨(の家)は寒い」と言ったりする。

 「30年以上も続く住宅ローンの覚悟を決めて、家族のために理想の住まいを実現したい。」「ここに来れば何か手掛かりが見つかるに違いない。」そんな顧客の思いなどそっちのけで、とにかく彼は、他社の差別化に夢中だ。

 

 地域の設計事務所や工務店は、大手ハウスメーカーに比べれば、現場に精通し、経験豊富で安心感がある。営業というより紹介とか口コミで商売しているから、信用の大切さを身に染みて知っている…はず。しかし、中には自分の考えを頑なに押し付けてくる自分大好きの社長もいる。

 

 モデルハウスを何か所も回ったけど、誠実で親身な「この人なら絶対大丈夫」と確信できる人になかなか出会えないときはどうすればよいのだろう。こういうものかと妥協して、依頼すればいいのだろうか。

 

 私は、絶対に妥協してはならないと思う。パートナー選びは家づくりの核心であると考えるからだ。大変ではあるが、最良のパートナーと確信できるまで、探し続けることだ。

 よい営業マン、よい設計士、よい工務店、その条件はなんだろうか。私の考えでは、「顧客の利益を最優先」にする人である。誠実で正直で知識豊富で話をよく聴く人である。

 

 「冷蔵庫を買おう」と思い立ち入った家電量販店でこんな経験はないだろうか。

 店員の人に要望を伝えたところ、それぞれの長所短所を丁寧に説明してくれて、シャープの商品を勧めてくれた。ところがよく見るとその人は東芝から派遣された社員だった。

 

 顧客の要望を無視して、自社の売込みばかりを熱心に行う行為は、営業ではなく押し売りという。たとえそれが住宅という高額の商品であっても、いや、高額の商品だからこそ「他社の方がお客様の希望にあっていますよ。」と言える人、それが本当の営業マンだ。

 

 プロフェッショナルは、自社製品のみならず他社の研究にも熱心だ。顧客の役に立ちたいと考えれば自ずと勉強するしかないのだ。そういう人は必ずいる。そんなパートナーが見つかるまで、あきらめずに動いてほしい。