【管財・後見やる弁護士必見】管財人は、源泉処理において、自分のマイナンバーを使わされる? | 向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ

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伝え聞いたところによると、破産管財人は、担当する破産管財事件の中で源泉徴収事務が発生した場合に、

管財人報酬の払い出しのときには支払者欄にも支払いを受ける者欄にも管財人のマイナンバーを書く
外部専門家への報酬払い出しのときには支払者欄に管財人のマイナンバーを書く

というのが国税庁の見解なのだとか?

まじですか。これ相当重大問題ですやん。
ていうかこの点について、普通、問題意識は持つと思うが、まさかこういう回答になるとは思ってなかった。

でも、管財人が源泉徴収義務者であるとしても(これも最高裁に疑問があるが)、管財人個人のマイナンバーを書かなきゃいけない意味はどこにあるのか、全然理解できないですねぇ。
なぜなら、管財人は、破産者の財産の「管理処分権」は持っているが、これは管財人個人の財産と分別管理されている(そして、もともと管財人弁護士自身の財産から分別管理されているいわゆる預り金口座とも別に口座を開設して管理している)からです。

破産管財人の法的地位の問題ともかかわるでしょうね。
通説といわれる管理機構人格説に立てば、管財人はあくまでも総債権者の代理人であって、代理人に過ぎないものが自分自身のマイナンバーを出すというのは変な話だなと思います。

いずれにせよ、破産管財人個人のマイナンバーを出すのは、理屈にも合わず、実質的に見ても何のためなのか意味不明である。
と感じています。

きっと、国税庁が表記見解に至った理由は、管財人の源泉徴収義務を認めた最高裁判例に引きずられたのかもしれませんが、ちょっとどうなのかなあという気がします。

なお、同様の問題は、成年後見人や財産管理人にも関わってくる問題ですから、早期に、裁判所と、弁護士会なり日弁連なりのしかるべき部署が話し合って決めるべき問題ではないかと思います。