「ちょっと行ってくる」
「どこに?」
「麻布十番」
「え?なんで?」
「投票してくる」
「マジか!」
「じゃあ、行くね」
「ちょちょ、ちょっと待って、オレも行く!オレも投票しに行く!」
「アッパ、出来ないよ」
「え?ダメなの?どうして?」
「1月に海外投票の手続きしないとダメなの。コンビニ行くみたいに気軽にぶらっと投票なんかできないの」
もうね、普段、店第一主義、人生の全てにおいて店最優先で生きてるから他の事はもう二の次。だからこうなるんだよね。免許の更新も健康診断の予約も全て忘れちゃう。
でも、折角だから嫌がる相方に付いて行った。
小田急線で代々木上原で乗り換えて地下鉄千代田線。表参道で銀座線に乗り換えて溜池山王駅で南北線に乗り換えて麻布十番で下車。
めっちゃめんどくさい行き方じゃん!新宿まで行って大江戸線一本のほうが楽じゃね?!
「都営線を噛ますと運賃が高くなるねん!」さすが알뜰주부!
아니,でも、なんでここで関西弁?
今まで東京言葉で頑張ってたのに。
麻布十番の韓国領事館。
たしか投票場所は6階だったか。民団中央本部が同じビル内にある、だからなのか、ここに来ている人みんながユンソンヨルに投票するように見えてしまう。昔、世田谷の民団支部に用事で行った時、事務所の壁に大きな朴正熙の肖像写真と共に「한편생 조국을 위하여」(全てを祖国に捧げます)と座右の銘が飾ってあった。衝撃だった。おそらくそのトラウマの記憶が鮮明だからだろう。
相方が投票を果たして戻って来た。晴れやかな表情で戻って来た。なんかちょっと誇らしい。だって我が家にとって先祖代々から有史以来初めて選挙に一票を投じたのだ。ソウル特別市城北区の海外有権者としての귀중한一票なのだ。拍手で彼女を迎えた。我が一族郎党初の投票を行使した彼女に拍手を惜しまなかった。
世論調査に一喜一憂は全く意味がない。だけど昨日の済州島の世論調査でイ・ジェミョンさんが支持率40%、アホのユンソンヨルが28%で、イ・ジェミョンさんが大きくリードした。
過去済州島で勝った候補は全て勝っている。済州島はストロベリー女史の本籍地、つまりコヒャンである。