「韓国の地域対立はほぼ都市伝説レベル」 | ヨンさまブログ

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とある焼肉屋のおやじです。

 選挙シーズンになると必ず話題に上るのが韓国の地域対立。

 特に全羅道と慶尚道の激しい地域感情の衝突、俗に言う영호남갈등(嶺南、湖南対立。嶺南=慶尚道、湖南=全羅道)。


 我々も在日同士で集まると地域対立の話で大いに盛り上がる。両親或いは祖父母の本国の出身地は我々2世、3世にとっては重要事項だ。

 そして必ず出るのが「地域対立は高句麗、新羅、百済の三国時代から脈々と続いてるのだ」説。大河ドラマのような壮大な歴史的ロマンがこの説には味付けされている。そして必ず誰かが「新羅が唐と組まなかったら、高句麗が統一して領土も広かったのに、新羅め!よりによって唐と組みやがって!」在日の統一に対する切望が甘い感傷となり益々酒が進む。まぁちょっと在日のメインストリームのヨンナム(慶尚道)系は肩身が狭いけど気持ちは同じ。


 でも、「三国時代から」説は都市伝説だと私は確信する。話はめっちゃ面白いけど。

 1963年の韓国の大統領選挙ではあのヨンナム出身の朴正煕と忠清道出身のユン・ボソンが争い、ホナム(全羅道)地域では嘘みたいだけど、朴正煕の方が支持率が高かった。

 地域対立が決定的になったのはホナム地域出身の民主化運動家キム・デジュンが軍事独裁政権の朴正煕に挑戦するようになった1970年からでキム・デジュンのホナム地域での人気は90%以上を記録する時さえあった。


 その後の大統領選挙でホナム地方ではノ・ムヒョン、ムン・ジェインが高い支持率を示したが二人共ヨンナム地方出身者で、むしろこの二人は保守(私は極右と見るけど)の牙城ヨンナム地方では支持率が低かった。以上が韓国の地域対立が三国時代から脈々と続く説は都市伝説だと考える根拠だ。


 先に、ヨンナム地方を保守の牙城、いや極右の牙城と書いたけど、慶尚道系人々を敢えて擁護すると、本来慶尚道の人々は特に日帝時代、朝鮮半島内で最も革新的な人々が多かったのだ。というのは「朝鮮戦争論」の著者ブルース・カミングス氏も著書で書いている。

 理由としては

①日帝時代慶尚道の人々は朝鮮半島内で最も多くの人口が海外や朝鮮半島北部の徴用に連れて行かれた事。

②日帝の土地収奪で故郷を離れざるを得なかった為に外の世界を観たものが多かった。だから慶尚道から抗日武装闘争に身を投じる者もとても多かった。

③解放後外国から大挙して慶尚道に、そんな革新的な人々が戻って来て、そのほとんどの人々が民主的な朝鮮人民共和国を支持した。


 しかし、ざっくりいうとジョン・ホッジ率いるアメリカ軍と結託した日帝協力者の残党及びその後の李承晩政権によって、民主的で革新的な慶尚道の人々は「赤」のレッテルを貼られ徹底的に弾圧されほぼ根絶状態になってしまった。

 けど、だけど、その慶尚道の人々の革新的な志しは在日の慶尚道系に引き継がれ今も脈々と続いて朝鮮学校を支えている。と私は密かに確信をもっている。

 ざっくり書いてるから詳しい事は各自で調べてください。


 でも、何故か私の身内には在日のメインストリームの慶尚道系がチャンモと외숙모しかいないんだよね〜

 在日の中でもマイノリティ。


 マイノリティ万歳!


네 여러분 즐거운 하루 되세요!


アンニョ〜ン!