🎶君が吐いた白い息が、今ゆっくり風に乗って
🎶空に浮かぶ雲の中に、少しづつ消えてゆく
朝の支度が終わり、子供達が登校を急いで家を出た頃、俺の1日は始まる、
ヨン様です、
だから稔侍じゃねーって‼️
薫‼️
最近は高3の息子が学校が休みの日には店を手伝ってくれてるよ、
この息子が相変わらずめんどくさい性格でね、
ある日、常連さんとの会話で
こんな事があったよ、
「へえー君は高校三年生かあ?
春から進学かあ、お父さんお母さんもこれからが大変だあ、
お父さん、歳いくつなの?」
「51歳です」
「へえーお母さんは?」
「えっと、48歳です」
めんどくさい1番目の要求で私達親子は店では他人という事になっている、
「お父さんはどこのご出身?」
「千葉です」
「お父さんとはよく話すの?」
「いいえ、かなりウザいです」
もうね、
親に関する情報が全て微妙に間違ってる!
東京都渋谷区出身の54歳ですから‼️
会話に入るのはご法度という事で黙って親の歪曲情報に耐える、
次の日、
その常連さんがまた来る、
その日はうちの1番目はよそでバイト
代わりにもう一人の高校三年生がうちでバイト。
いつかは知れるだろうだからその常連さんに
「実は昨日の高校生はうちの息子なんです」と言おうとした矢先
「へえ!君は関東一高かあ!
サッカー部かあ!凄いねえ全国大会行ったねえ!」
父親の前で一切の笑顔を封印するうちの息子と中級部まで同級生だったその彼はハキハキして物怖じせず高校三年生なのにお客さんとも会話が出来る。
そして常連さんが言う
「別に批判してるわけじゃないんだけどね、昨日の彼はちょっとイマイチだね、
それに比べると君はイイね!」
ま、まさかの展開!
だ、誰か脚本でも書いてる?つーくらいまさかの展開!
だからー
だからー
こういう事態になる前にこっちから言おうと思ったのに言うんだものなあ!
もうね、
まさかの十字架背負わされた!
もう薫どころじゃない!
いまさら、言えないよー‼️
いまさら、うちの息子だなんて言えないよー‼️
言えやしないよー‼️
もうね、
この常連さんの前で私達は一生他人の演技をしなければならない、一生、
結構長いよ、
ああ、焼肉の神様のイジワル
あ、そうそう、
いつだったか現金が足りなくなったあの兄さん達、その後どうなったかって?
次の日にちゃんと払いに来たよ、
感心したからオレも言ってやったのさ
「兄さん飯食ったかい?
まだだろ?食って行きなよ、今日はオレのおごりだ」
決まった!シブい!渋すぎるオレ!
よ!ヨン様の薫‼️日本一‼️
するとその兄さん
「あ、いえ、とんでもないです、ありがとうございます、でも今日はもう行きます、昨日は本当にありがとうございました」
「いいのかい?じゃあ気を付けて行きなよ」
ホント、マジ深夜食堂‼️
本物の小林薫より薫らしい‼️
その後その兄さん達リピーターになったんだよ、
そうやって深夜食堂の小林薫が乗り移る時がたまにあるんだよ、
問題はこの先一生「仮面他人」を演じられるか?という事と
日曜日に集中する娘の最後の学芸会、卒業式、入学式、1番目の高校の卒業式と大学の入学式、
ああ、焼肉の神様、
私は一体どれをチョイスすれば良いのでしょうか?
全て休むと絶対バチがあたるよね?