騎馬戦 | ヨンさまブログ

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とある焼肉屋のおやじです。

 焼肉ぱんがスカイツリー店のヨン様です、
本屋の棚に所狭しと並ぶ嫌韓、反北朝鮮本、嫌中本、
そして我が物顔で街を行進するヘイトスピーカー行進の映像、

 そんな中、移転へのはなむけにと、
多くの地元の人々が店に駆けつけて激励の言葉をかけてくれる、
ここ向島の人々はヘイトスピーカーとは無縁なのだ、
人情があるのだ、と言う事を実感した、向島での最後の月、
皆様、本当にありがとうございました!

・・・・・・・

 学校の運動場である、
青軍と赤軍がそれぞれ一列に整列しながら対峙する、
少年達は、その若い勇気とプライドを、
そしてアッパ達は
父親として、男の威厳と尊厳を息子にみせるのだ、と
これから始まる決戦を前に緊張感がみなぎる、

 運動会での騎馬戦である、
今年は生徒数が少ないため父親が参加する親子競技となった、

 パートナーはS君親子である、
S君のアッパが提案する
「ダッシュして大将の背後にまわり奇襲してはどうか?」
それはいいとばかりに一同が賛同する、
我々の騎馬は気合十分だ、
その日行われた「日本ダービー」を制した、
ワンアンドオンリーを上回るほどだ、

 そして笛が鳴る、決戦の火蓋はきっておとされたのだ!
我々の騎馬が風を切る!疾駆する!
目指すは大将のハチマキただひとつ!

 が、落とし穴はそこにあったのだ!
騎馬の土台の父親二人の年齢を足すと90歳を優に超えるのだ、
私などはすでに二分の一世紀を生きてしまっているのだ、
 息が続かないのだ、下半身がついて行かないのだ、
 運動場も半ばあたりまで来ると、
もう、もどしそうである、
 それでも、父親は息子の前で弱音を吐いてはいかんのだ、
 少年たちは何も言わない、
しかし、彼らは父親を常に無関心を装う眼差しで鋭く観察しているのだ、

・・・・・・

 敵の赤軍大将親子の気合が尋常ではない、
気合が天を衝くようである!

 が、彼らは我々と交わした約束をおぼえているのか?
入場ゲートで交わしたあの約束
「入場ゲートの密約」を、
どちらかが戦勝した際、
第二戦は負けたほうに花をあげ、
第三戦で雌雄を決めようと言う大人の約束を、
 
 赤軍大将が解き放たれた矢のように
青軍大将に襲い掛かる、
青軍大将反撃も、赤軍大将の気合が半端ナイ!

 勝負は赤軍の2戦2勝で幕を閉じる、
私はその時、悟ったのである、
学校の運動会で、
しかも子供たちの前でヤラセを提案した私が
どれほど罪深いかを、

 きっと、あの赤軍大将親子は身をもって、
私の提案に「NO!」を突きつけのではないだろうか、と、

・・・・・

 しかし、なんですなあ、たとえ負けたとはいえ、
競技が済んで、息子やパートナーの親子と肩を叩きながら
健闘を称えあう、
なんか、とっても気持ちがいい、

 五体満足で運動場を駆ける子供たち、
もうそれだけで充分!ビリでもNO PROBREM!
健康の祭典に乾杯!

・・・・・

 今年の運動会、
在日文化を研究中の
F友のスーザンさんを招待する、
オーストラリア出身で在日男性を夫に持つ、

 ビールにワインも飲んで調子に乗る私に、
ルーブル美術館のギリシャ彫刻のような端正な顔立ちで
「ヨン様は一言多いよね、」と、
流暢な日本語で苦言を呈す彼女、
激しく同意するマイ・ファミリー&周囲の面々、

  「一言余分なヨン様」論、
これはどうやら用の東西を問わない
万国共通の認識のようである、、、