「無名」

5月3日から日本各地で順次公開。

 

 

とても楽しみにしているのですが、

日帰りで仙台に見に行くか、東京に行って

泊まりがけで何回か見る方がいいか悩みます。

土地勘は住んでた東京の方があるけど

コロナ以降、行っていないので

浦島太郎状態でどうかなとお悩み中。

 

イボ君が1ヶ月100本の映画を観たそうですね。

100本は無理だけど

1ヶ月10本なら大丈夫かなと挑戦中。

3日に1本のペースで、今まで8本観ました。

中国映画はあまり観たことがないので

トニー・レオン出演の映画を観ることにしました。

WOWOWで

「グランド・マスター (原題 一代宗師)」

ウォン・カーウァイ監督の作品です。

 

 

映画館に出向く場合は交通費とチケット代を

負担するので、観る映画のことは調べますが

自宅で観る場合は予備知識があると

返って鑑賞の妨げになることがあるので

調べずに視聴。

 

でも、始めに出てきたシーンにビックリ😲

 

イボ君が出演した

「街舞4 EP1」の冒頭部分のダンス

この作品のオマージュだったんですね。

 

 

 

探したらツイッター(X)にありました。

らん💚85号さん、ありがとうございます。

無名→梁朝偉→一代宗師→街舞4→王一博と繋がったんです。

 

 

この作品、冒頭の数分、カンフーバトルで

これ、延々と続くの?と心配になりました。

しかもトニー・レオン(梁朝偉)がイップ・マンの役。

ブルース・リーの師匠としても知られているイップ・マン。

パナマ帽が印象的な品の良い紳士です。

あれ、待てよ、私の知ってるイップ・マンは

香港で貧困生活してたはずと

大分前に観た香港映画を思い出す。

この映画で描かれるイップ・マンは故郷で

裕福な家庭に育ち、生活の苦労など無く

好きなカンフーの極意を極めようとする宗師。

しかし、日本軍の進軍により実家は接収され

香港に逃れて、カンフーを教えることで生計を

立てようとするイップ・マン。

ここからの生活が前に観た映画のイップ・マンでした。

 

この映画は宗師「イップ・マン」のお話。

 

この「グランド・マスター」は

いわゆるカンフー映画ではありません。

 

イップ・マン(トニー・レオン)ら中国武術家たちの壮絶な戦いと、

彼らを取り巻く人間模様が美しい映像と共に映し出されます。

ゴン・ルオメイ(チャン・ツィイー)は、

奥義六十四手の名技を唯一受け継ぐ使い手。

彼女は、イップ・マンに対して始めは敵対しますが、

やがて中国武術の心と技を極め継承する者(グランド・マスター)を

目指す者として、心の交流が生まれていきます。

心の機微を丁寧に描いているので

文芸作品といったらいいのかな。

トニー・レオンとチャン・ツィイーは役作りのため

三年間、カンフーのマスター(宗師)に

それぞれが使う技を教えてもらい、

トレーニングしたそうです。

トニー・レオンは腕を骨折し、チャン・ツィイーは

腰を痛めて一週間も寝ていなければならなかったそう。

それでも仕事を愛しているからと話しています。

 

 

イップマン(葉問)を演じるのは

トニー・レオン(梁朝偉)。


 

ゴン・ルオメイ(宮若梅)を演じるのは

チャン・ツィイー(章子怡)。

 

 


 

面白いのは
葉問(梁朝偉)は広東語を話し、

宮若梅(章子怡)は普通話(北京語)で話す。
お互いに自分の言語(方言)で話しています。

別々の方言で話しても意思の疎通はあるようですし

観客は中国語字幕があるので問題はありません。

葉問の広東語が真実味を感じさせる要素に

なっているような気がする。

 

 

 

 

トニー・レオンの被っている帽子が印象的です。

パナマ帽とカンカン帽(麦わら帽子の一種)は共に

かつては夏の紳士の正装用でしたから、格調高いです。

 

 

 

 

 

 

ネクタイを締めた正装用にピッタリの帽子

 

こちらはルフィの麦わら帽子

正装用ではないけど、イボ君が被ると

キチンと感が増す。

 

ウォン・カーウァイ王家衛、1958年7月17日 ~ )は、

香港の映画監督、脚本家。

 

 

最初、はてな?と思ったのは

「王」という名字をイボ君の時は

「ワン」と呼び、監督は「ウォン」と呼ぶのは

何故なの、ということ。

どうやら「ワン」というのは普通話(北京語)の発音で

「ウォン」は広東語(香港語)の発音らしい。

 

有名な香港の武術家「葉問」

(イップ・マン)と発音するのは広東語、

普通話(北京語)では(イェ-・メン)と言い

簡体字では「叶问」と書きます。

「葉」という名字で思い出すのは

「無名」の葉氏。

「葉」という漢字は簡体字では「叶」と書くので

「叶先生」というのは「葉先生」

「無名」の葉氏はもしかして、イップ・マンが

ヒントなのかなと思ったりして。

これは私の妄想ですけど。

でも、そうだったら楽しいな。

 

葉問(よう もん)

普通話(イェー・メン)

広東語(イップ・マン)

(1893年10月1日 - 1972年12月2日)

香港の中国武術家。詠春拳葉問派宗師。

 

トニー・レオンが第36回東京国際映画祭の時に来日しています。

2023年10月26日、映画祭のワールド・フォーカスで

中国映画「2046」(2004年公開)が上映されました。

この映画が選ばれたのはトニー・レオンの希望だそうです。

 

 

トニーは「この作品は私にとって特別な作品です。」と語っていました。

実は私にとっても「2046」は思い出深い作品です。

この映画には日本からSMAPの木村拓哉が出演していました。

 

中国の国際派監督ウォン・カーウァイの

映画に出演するというので当時大きな話題になりました。

何でも殺し屋の役らしいということで

諜報部員のような役か、マフィアかなどど

ファンの間では大盛り上がりでした。

けれど、数シーン撮影しただけで中断し

その後、映画はどうなったのか、

木村君本人さえ分からない状態でした。

当時、人気絶頂期でスケジュール押さえておくだけでも

大変だったと思いますが、何年も撮影は再開されませんでした。

脚本などはほとんど無く、全ては監督の頭に中に

あって、その日、監督に指示されたことを

演じるという手探り状態で、言葉も分からず

日本の演出との違いに戸惑っていたようです。

4、5年程経った頃、撮影が再開されました。

 

ウォン・カーウァイ監督は1990年に

「欲望の翼」という映画を公開。

この映画にはレスリー・チャン、マギー・チャン

カリーナ・ラウ、アンディ・ラウなどが出演。

最後に謎のギャンブラーとして、トニー・レオンが出演。

 

「欲望の翼」 (原題 阿飛正傳)

 

「欲望の翼」は実は前編、後編作る予定でしたが

前編で予算と時間を使い果たしてしまい

トニー・レオン主演で作る予定だった後編を

作ることが出来なかった。

それで、2000年公開の「花様年華」を制作。

 

 

 

「2046」を制作し始めていたが中断して

「花様年華」を完成させた。

「欲望の翼」から「花様年華」へと続き

「2046」で総仕上げ、となる予定だったらしい。

「2046」の制作の遅れはSARSによる渡航制限や

2003年4月1日レスリー・チャンが自死したことも

影響したのではないかと言われています。

長い時間が掛かりましたが

2004年9月29日香港で公開

2004年10月日本でも映画が公開されました。

 

 

トニー・レオン、チャン・ツィイー

木村拓哉、フェイ・ウォン、コン・リーなど

アジアのスターが大勢出演しているので

期待して観に行ったのですが

よく分からない映画でした。

殺し屋でもマフィアでもなく

悩める普通の青年でした。

香港が中国へ返還された1997年から50年経つと2047年。

その前年の2046年の未来はどうなっているのか・・・。

「50年不変」という言葉に変わりは無いのか?

 

映画の最後は
「長い列車に乗り、闇の中を、ぼんやりした未来に向かって走るように…」

でした。

 

この映画が公開された当時は

ウォン・カーウァイ監督の作品を

ほとんど観たことがなく、他の作品を

観ていれば何となく理解できたかもしれないことも

よくわかりませんでした。

良い作品なのか、そうでないのか分からず

私の中では中途半端感があって、木村君でなくても

よかったんじゃないかと思っていました。

 

そんなことでウォン・カーウァイ監督には

あまり良い印象は持っていませんでした。

しかし、2023年、東京国際映画祭で

「2046」が上映されたということは

意義深いことでした。

トニー・レオンとウォン・カーウァイ監督が

香港返還「50年不変」ということに

対して漠然とした不安を抱いていたこと、

現状がどうであれ、香港を愛していることに

変わりが無いことを示してくれたように

思えたからです。

あの映画には影響力のある日本人が

必要だったということが20年近く経って分かった。

広東語、普通話(北京語)、日本語が混在する世界。

 

20年前の作品で、私もほとんど

忘れかけているので、見直ししようと思っています。

その際は、ウォン・カーウァイ監督の他の

作品も観たいと思っています。

 

2022年4Kレストア版が配給されて

今でも観られるそうです。

映画は公開された時だけではなく、長い間愛される価値がある。

そう思います。

 

 

東京国際映画祭に来たトニー・レオンは

ウォン・カーウァイ監督がいろいろな

音楽や文学を紹介してくれたり

文学作品を読んで、作中の人物は

どんな表情をしていたかなどについて

話し合ったりしたと言います。

監督とそのチームは素晴らしく

学ぶことが多かったとも話しています。

ウォン監督の作品に脚本はあるが、

俳優には見せずに、物語の概要と、

役柄についてだけ教えられ、演技指導される。

どのような物語になるかは知らされない。

それはウォン監督ならではのユニークなやり方だそう。

役者に多くの情報を与えると作り込みすぎて

しまう恐れがあるので、出来るだけ

その時抱いた感情を自然に表現して欲しいと

いうことなのでしょうか。

ウォン監督の現場では毎回新しい試みがあり

役者にとっても新しい体験があるとも語っています。

 

トニー・レオンとウォン・カーウァイ監督の関わり方を

見ていると、イボ君と程耳監督の関係に

少し似ていると思います。

程耳監督も脚本はあるけど、現場でドンドン

修正していくらしいですしね。

イボ君に映画を紹介したり、一緒に

観劇したり、勉強したりと。

 

 

 

 

 

 

 

 

烏鎮演劇祭に行った程耳監督とイボ君

獅子のかぶり物(帽子)を被った程耳監督とイボ君

 

 

 

 

「無名」の日本公開に向けて

盛り上がっていますね。

中国映画を観ていると、

俳優の役との向き合い方が真摯で圧倒されます。

イボ君もそういう先輩方に刺激を受けて

益々、俳優という仕事に邁進していくのでしょうね。

映画というのはドラマと違って

クランクアップするまでの時間が

長いです。

ドラマならCGで済ますところを四季の変化を

丁寧に映し出したり。

ドラマなら1週間で終わる戦闘シーンを

1ヶ月かけて撮影したり。

「人魚」も関わってから1年以上です。

最近、やっと撮影が始まったようです。

私たちも慌てず、ユックリ出来上がるのを

待ちましょう。

 

 

 

 

 

 

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