今日、SNSを見たら、「無名」で王一博が演じる葉秘書の

モデルとされる「汪锦元」のことが書かれていた。

その内容を見て驚いた。

肝心のことが書かれていなかった。

「汪锦元」のアイデンティティー。

中国人から見たら、彼は中国人なのだけれど

日本人から見たら、彼は日本人なのです。

彼は中国人の父と日本人の母を持つ日中混血児。

中国人の父が日本の大学に留学中、東京美術専門学校の

女学生と恋に落ち、結婚。

息子(日本名 俊男)が生まれます。

その後、家族は中国の父の実家に戻ります。

俊男9歳の時、父が病死。母が上海で美術の教師をしながら

育てますが、生活が苦しく、やむなく13歳の時、東京にいる

祖父母の元に預けられました。

日本にいる間、いろいろ苦労したようです。

中国人に対する偏見も経験しています。

日本に7年間滞在し、20歳の時、母と上海に行くのです。

その後、中国共産党に入党して諜報部員として活動します。

諜報部員としての活動は映画の中で描かれることと思います。

 

 

「程耳監督、そうきたか」と思ったのは

日中混血児という奥の手を使ったから。

中国人と日本人、感情が複雑に絡み合ってどういう風に

映画は進んでいくのか?

国が違う親を持つ人間が中国共産党のために

働くようになったのは何故かということが分かる?

 

中国と日本、彼はどちらの国に帰属意識を持つのか。

中国共産党、国民党、日本陸軍の中で信じているのはどれなのか。

映画の中の葉秘書のアイデンティティーがどう設定されているのかは

わかりませんが、少なからず日本と縁があるのではないかと

推測されます。

日本語も流暢に話さなければならないでしょう。

日本人はどのように描かれているのか?

中国人として生きていくことを選択し、活動した汪锦元。

映画の題名が「無名」となった理由もそこにあるのではないかと

思っています。

こうした複雑な背景を持つ役を演じる王一博は大変だったでしょう。

 

程耳監督は深い意味を持って、この映画を作ったと思います。

日本でも是非公開して欲しいです。

 

このことは、「無名」が公開されてから書こうと思っていましたが

「汪锦元」の情報が偏っているため、UPしました。

 

それから、「ワンス・アポン・ア・タイムイン上海」の主演の一人は

オダギリジョーではなく、浅野忠信さんです。

 

 

 

 

このブログは独断と偏見、妄想で出来ております。