日本人の宗教観 | いにしえの徒然ブログ ― 古代史のロマンを求めて ―

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なぜ大和朝廷発祥の地で、その支配者たる天皇家の祖神である天照大神を祭っていないのか?
伊勢神宮はなんなのか?
等など素人の視点からの疑問を綴っていきたいと考えております。

我々日本人はよく無宗教だといわれるが、あえて言うなら原始宗教に位置づけらる
自然崇拝や精霊信仰に近いものだと思われる。


「トイレの神様」を感じられる心というか感性が、日本人の宗教観の代表だ。


全ての事象に神が宿っているという感覚は日本人にとっては当たり前のことだが
一神教(キリスト教やイスラム教)の人にとっては信じられないのだそう。


特にキリスト教圏では、中世にヨーロッパの古い信仰を原初とする自然崇拝や精霊信仰
を行うものを魔女として抹殺した経緯がある。
魔女といっても我々が思い描くような人々とはだいぶんと違うイメージだったのだろう。


最近はすごく緩和されているように思うが、西洋の人にとってキリスト教化されていない
ということは未開の野蛮人を意味しているようだ。
日露戦争時のフランスのリベラル派の新聞でさえ、同じキリスト教徒としてのロシアを
熱烈に応援し、野蛮人の日本になど負けることはありえないという論調だった。


そう考えると今頃日本は明治の頃にもっとキリスト教化されていてもよかったように思うが、
やはりそうはならなかったのはこの日本人の宗教観のなせる技だったのだと思う。


日本人にとっては、仏さんもキリストさんもアッラーの神も八百万の神々のうちの一つなんだと思う。
どの神様のことも否定しないし、それぞれの神様のいいとこを都合よく信仰しちゃう。


文化文明についても神様と同じ感覚で日本人は取り入れちゃう。
食べ物にいたっては、これだけ世界中の食べられる国は珍しいそう。
生活様式も建築にしてもそう。
日本人ってほんと面白いと思う。


この節操の無さが日本人の形成に大いに貢献したろうなと思う。

元々は古モンゴロイドがいて、その人達が縄文人といわれる人達になって
次に中国河南系の人達が来て、土着の縄文人と混血して弥生時代になって
朝鮮から北方民族に圧迫された人達が沢山やってきて
シルクロード経由でも人はやってきたと思う。
とても雑多な生活様式の人がいて、それでも最終的に日本人として纏まっているのはこの宗教観のおかけだと思う。


他の国なら基本的に民族が融合せずに争い、どちらかを駆逐するまで戦いぬくことも珍しくない。
最近の戦争だって民族の違いが原因のものは多々ある。


日本人の欠点としてよく言われる曖昧さや、優柔不断ともとれる態度が争いを極度に避けることに貢献していると思う。
まあ勿論弊害も多々ありますが、、、。


スタジオジブリのアニメで伝えたいメッセージや想いにも、この日本人の宗教観が多々織り込まれていると思う。

いつまでも「トイレの神様」を感じられる日本人であったらいいなと思います。