>>家庭内経済格差の続き・・・・
 
 
 
 
付き合って最初に
 
彼との経済格差を感じたのは
 
外食に行く時だった。
 
 
 
いつもよく行くレストランが全然違った。
 
 
 
わたしは、一人当たり2万円前後の
 
ホテルレストランや
 
ステーキハウスが好きで、よく行く。
 
 
 
フレンチやお寿司になると
 
一人当たり2〜5万が相場だ。
 
 
 
 
彼がこれまで、どういったお店に
 
行っていたかは知らなくて、
 
私が質問しても
 
「大したところに行ってない」としか言わない。
 
 多分食にそれほど興味がなくて
 
あれこれ調べたりしてなかったのだと思う。
 
 
 
それに対して
 
私が彼に提案する店は
 
いつも彼が緊張してしまうお店だった。
 
 
 
 
初めて行くレストランともなると
 
彼は、服装から、テーブルマナーまで
 
尋常じゃなく気にしていた。
 
 
 
彼「ねーねー、ジャケットいるかなぁ?
 
ローファーじゃないとダメ?」
 
 
 
私「適当でいいよ。
 
スニーカーじゃなかったらなんでもいいんじゃない?」
 
みたいな会話が必ずあった。
 
 
 
 
私は、ホテルレストランであっても
 
ドレッシーな服より
 
カジュアルな格好で行ったりするし
(そもそも、ホテルに泊まっている外国人も多いからか
カジュアルな服でも目立つことはない。)
 
テーブルマナーも周りに迷惑をかけない程度意識して
 
ガチガチに気をつけたりはしない。
 
 
 
彼は、そのさし加減がまだ掴めなくて
 
ホテルレストラン=かっちり!
 
と思っていたようだった。
 
 
 
 
彼の緊張具合はとにかく分かりやすく
 
店に着くなり、喋りまくって飲みまくる。
 
 
緊張すればするほど
 
その傾向は強くなり
 
私は「大丈夫だよ。落ち着いて!」
 
なんて冗談を言ったりした。
 
 
 
緊張する彼って、可愛い。
 
 
 
 
 
彼といろんな経験ができることが嬉しくて
 
私はどんどんオススメの店を紹介した。
(その結果彼は5キロ太った)
 
 
 
ただ、いろんなレストランに行く中で
 
困ったこともある。
 
 
 
フレンチレストランなどは
 
男性側に値段付きのメニューを渡し
 
女性側には値段なしのメニューを渡して下さったりする。
 
 
 
男性側への配慮なのだけど
 
我が家の場合は、支払うのは私だから
 
値段付きは私にくれ!と思ったことが何度かあった。
 
 
 
他にも
 
支払いの際にクレジットカードを出したのは私でも、
 
サインを求められるのは彼…
 
みたいなこともあった。
 
 
カードの名前は女性なのに
 
支払い=男性
 
というイメージが定着していることを感じた。
 
 
 
 
それは日本だけではなく海外も同じ。
 
 
 
フランスの高級フレンチに行ったとき
 
値段のついたワインリストが
 
案の定彼に渡された。
 
 
 
 
彼は言葉には出さないけど
 
"たかっ!"
 
と思ったと思う。
 
 
 
だって、そこのワインリストは
 
安くても5万〜
 
スタンダードなもので20,30万〜
 
のところだったから。
 
余談だが、ワインをボトルで頼む人って
好きなブドウや、お気に入りのシャトーがあって
お店で売られる相場も知っている傾向にある。
もしワインに詳しくない場合は
カッコつけずにグラスで貰う方が無難だと思う。
ボトルだと、美味しくなくても丸々1本飲み切らなければいけないから…。
 
 
 
 
私は、ワインリストを下げるようお願いし
 
シャンパングラスを頼んだ。
 
 
 
周りの人が高級なワインボトルを楽しんでいたとしても
 
私たちは私たちの経済力の中で
 
楽しめばいいだけだと思う。
 
 
 
 
周りに合わせる必要はない。
 
 
 
例えお金が足りなくて
 
欲しいものが頼めなかったとしても
 
それは恥ずかしいことでもなんでもない。
 
 
 
 
身の丈にあった生活に感謝ができない人は
 
豊かになっても感謝ができない人だと思うから。
 
 
 
 
だから私は彼に、
 
今の2人でできることや行けけるところに感謝して楽しもうね、と話した。
 
 
 
 
今できないことがあっても、
 
目標の一つにすればいい。
 
 
 
そうすれば
 
できなかった経験さえも
 
夢への原動力になるから。
 
 
 
 
 
 
…と少し話は変わったが、
 
まぁこんな感じで
 
彼は、この1年でだいぶ変わった。
 
 
ワインは、ぶどう品種で頼むとまぁまぁハズレが少ないこと、
 
お支払いは、躊躇なく私に任せても良いこと、
 
どんなお店でも自分たちらしく見栄を張らなくていいこと
 
など…
 
 
 
そして、最初はとても緊張していた店も
 
今では落ち着くよね〜なんて
 
言えるほどにまで成長した。
 
 
 
 
彼をみていて思い出すことは、
 
昔の私も慣れない店に戸惑っていたり
 
マナーが守れなかったら恥ずかしいと
 
思っていた過去があったことだ。
 
 
 
 
誰しも最初は慣れない店に緊張するし
 
値段を頭で計算しながら
 
注文していたりするもの。
 
 
 
それが段々と慣れてきて
 
当たり前が変わってきて
 
 
ブランド名や値段を超えたところでの
 
"自分は何が好きか?"が分かってくる。
 
 
 
 
だから、お金を使うということは
 
自分の本当の”好き”を見つけることにもなると私は思う。
 
 
 
 
私は付き合いたての頃から
 
彼の本当の好きを知りたかったし、
 
一緒にいろんなことを楽しみたかった。
 
 
 
そこで必要となるお金は
 
やりたいことをしたい方が出せばいい。
 
女でも。
 
 
 
 
それに
 
 
夫婦間、カップル間で経済格差があっても
 
一緒に経験を積んでいけば
 
感覚はともに磨かれる。
 
 
 
感覚がともに磨かれれば磨かれるほど
 
一緒にいることが楽しくなる。
 
 
 
 
繊細な味の違いを
 
あーだこーだと語り合うことができるのも
 
本当に幸せだ。
 
 
 
 
頭の良い彼はワインの銘柄なども
 
よく覚えてくれるし
 
 
グラスで頼んだワインで美味しかったものは
 
後日エノテカで通販して
 
自宅のワインセラーに保管していたりする。
 
 
 
 
こんなことができるのも
 
夫婦2人で一緒に経験したから。
 
 
 
 
私が彼の分までお金を出してでも
 
好きなところに行きたいのは、
 
 同じ感覚を共有できる人が
 
一番近くにいると
 
どんどん楽しみが増えていくと知ってしまったから。
 
 
最初はスタッフを連れ回して一緒に楽しんでいて
 
それが彼に変わっただけの話だ。
 
 
 
 
 
たまに、自分のお金が減るから…と
 
周りにご馳走することを拒む人もいるけど
 
それってある意味機会損失ではないだろうか?
 
 
 
相手が誰であっても
 
一緒にステキな経験ができることは
 
幸せなことだから。
 
 
 
 
 
よって…
 
 
 
 
我が家の外食費は相変わらず
 
私がほとんど私が支払っていて、
 
その理由は
 
彼の食べたいものがいつも無く
 
私の食べたいものがいつも決まっているからだ。
 
 
 
 
 
 
私はそれで大満足だ。
 
 
 
 
 
 
***おしまい***