こんにちは。
本体のお遍路が佳境の向江好美です。
お遍路では、体調や天候や次のルートなど考え、旅をしながら宿を決めて行くのが日課です。
なので、日々次の宿への予約電話をかけているわけですが。
予約の電話にて。
私「すみません、明日の宿をお願いしたいのですが、1名空いてますでしょうか」
宿「はい~、ちょっと待ってねー。…はい、はい大丈夫ですよ。お名前と電話番号をお願いします~」
私「向江好美です。」
宿「……えー…、うかいさん?ですか?」
私「むかえです。ま、み、む、のむで、むかえ」
宿「あ、はい、むかいさんですね。はい、はい」
私「むかえです」
宿「あー、むかえさんね。ごめんなさいねー」
私「電話番号は……です。」
宿「…はい、わかりましたー。
えー……男性1名でよかったでしょうか?」
私「女性1名でお願いします」
というやり取りを、かれこれ40回くらい繰り返しています。
まあ、自分でも防衛してますし上記はフルコースなので、全部じゃないですが。
ちなみに性別確認がなかった結果、行ってから驚かれた場合は、たぶん私が悪いので、主に私が謝っています。
【24日目の行程】
山城屋旅館 発 7:30頃
大畑旅館 着 15:00頃 25km
合計 25km (累積611.2km)
次の四十一番 龍光寺までは約50km。
1日では着きませんので、この日は移動のみ。
途中の津島という町で一泊しました。
小説「てんやわんや」の舞台、とあったんですけどうーん、知らないなあ。
~詳細~
前日、山城屋旅館の部屋に入ると広告がおいてありました。
見てみると、その中に荷物の移送サービスが。
峠越えが楽にできます。と、謳ってあります。
今外は雨。
そして明日の天気も確か雨。
お値段は1000円、とちょっとお高いですが…
ザックなしで歩ければ大変ありがたいです。
次の宿までの移送を頼みました。
で。
次の日の朝。
窓の外は曇天。
小雨が少しぱらつくようですが、天気予報も曇りです。
朝飯を食べて、持ってく荷物の準備を済ませてザックを預け、宿を出ました。
あれ。
荷物がなくて、曇天の涼しい気候で、今日はお寺参りもない。
なにこの最高のシチュエーション。
…ていうかこれ、ただのトレッキングです。
いや山だけじゃないですし、ウェストポーチに注文したおにぎりまで持って、これは…むしろ遠足?
何だか不思議な感じで1日がスタートです。
出だしは降ってるような降ってないような微妙な天気。
でも空も明るく、午後は上がるということだったので、菅笠があれば何とかなるだろう、と傘は持たず。雨具の上だけ腰に巻く装備にしました。
まずは町中を突き抜ける県道に沿って、真っ直ぐ西へ。
通学中の徒歩の小学生や、自転車の中学生とすれ違います。
「お遍路さん、仕事はいいの?」て聞かれたらなんて言おうかな…。
「うん。遊んでる(  ̄▽ ̄)」としか言えないような。
まあでも当然、そんな質問をされるわけもなく。
元気のいい挨拶や、恥ずかしいけどするのがいいこと的に指導されてるから取り合えずな挨拶、素通りなど子供も色々。
どれも微笑ましい。
国道と合流し、町ゾーンを抜け、
しばらくはこの国道56号沿いをひたすら一直線。
登り道を2時間ほど歩くと、海が見えてきました。
海水浴場もあるみたいですね。
下って行くと漁港が。
この辺りで峠道との分岐です。
このまま海岸に沿って国道を行くこともできるのですが、何せ手ぶらですし、せっかくなので旧道の峠道を選択しました。
住宅地を川沿いに抜け、山の方へ人通りと逆行しながら歩きます。
どこも変わらないといえば変わりませんが、またこんな感じの道。
際頂で標高500メートル、峠道全体では登り下りで約10kmの道のりです。
荷物はないので楽勝かなー、と思いきや、きついものはきつい。(^。^;)
登りと下りが3:7くらいなので、登りはわりと急です。
ぜーはーいいながら登っていきます。
昨日に引き続き、薄ぐらーい誰も通らないような林道。
多少は心細いかなあ。
昔、山道を歩く旅人がこんな感じだったかもしれませんね。
昔だったら、山賊や追い剥ぎが出たらどうしよう、みたいな感じだったんだろうな。
そして登ってて、気づいたことなのですが、登ってる最中に余計なことを考えなくなりました。
前は長い山登りがあると、ストレス値が上がるせいか、意識が内側に向いて、自分や他人や出来事や記憶に、あれがどーだ、あの人はどーだ、あーすれば、そーいえばあの時は…とか、負の、というよりは我の色濃い考えがよく浮かんでたのですが、それがなくなっています。
高知辺りの山登りの時は特にそんな感じで、そーいうのが角栓みたいに、にゅるっと体から出てくる度に、掴んでスポんっと抜いて道端に捨ててたのですが。
こんな感じ。
え?ポイ捨てするなって?
大丈夫です。
あいつら日光で消滅するし、水に溶けるので。
で捨ててきた成果か、頭の中というか体の中がすっきりしている感じ。軽いというか。余計なものが落ちたような。凄い。全然出てこない。
登り道をただ無心に登りました。
やがて峠らしきところに着きましたが、暗かったので、休まずそのまま前進。
もう少し行ったら、初めて視界の開けた場所に出ました。
ここでお昼休憩。
また電波は通じませんね。
そこから見えた眺め。
海を見ながらおにぎり食べました。
食べ終わって、また下り。
陽が射してきました。森が表情を変えます。
普段はひたすら曇りを祈ってる私ですが、やはり多少ほっとするものがあります。
でもまたすぐ曇りましたが。
下れ下れ~。
ちなみに、この日はけっこう風があって涼しかったのですが、風の吹き方が、なんかこう、通り道があるんですよね。
自分のいるところには吹いて来なくても、少し離れた、あるいはすぐ近くの木の上を、ざざーっと強い風が吹き抜ける音がする。
まるで何物かが移動しているかのよう。
昔の人が、こういう風の動き方を見て、天狗を想像したことが理解できる気がします。
下ります。
木材かな?
まだ下ります。
~続く
本体のお遍路が佳境の向江好美です。
お遍路では、体調や天候や次のルートなど考え、旅をしながら宿を決めて行くのが日課です。
なので、日々次の宿への予約電話をかけているわけですが。
予約の電話にて。
私「すみません、明日の宿をお願いしたいのですが、1名空いてますでしょうか」
宿「はい~、ちょっと待ってねー。…はい、はい大丈夫ですよ。お名前と電話番号をお願いします~」
私「向江好美です。」
宿「……えー…、うかいさん?ですか?」
私「むかえです。ま、み、む、のむで、むかえ」
宿「あ、はい、むかいさんですね。はい、はい」
私「むかえです」
宿「あー、むかえさんね。ごめんなさいねー」
私「電話番号は……です。」
宿「…はい、わかりましたー。
えー……男性1名でよかったでしょうか?」
私「女性1名でお願いします」
というやり取りを、かれこれ40回くらい繰り返しています。
まあ、自分でも防衛してますし上記はフルコースなので、全部じゃないですが。
ちなみに性別確認がなかった結果、行ってから驚かれた場合は、たぶん私が悪いので、主に私が謝っています。
【24日目の行程】
山城屋旅館 発 7:30頃
大畑旅館 着 15:00頃 25km
合計 25km (累積611.2km)
次の四十一番 龍光寺までは約50km。
1日では着きませんので、この日は移動のみ。
途中の津島という町で一泊しました。
小説「てんやわんや」の舞台、とあったんですけどうーん、知らないなあ。
~詳細~
前日、山城屋旅館の部屋に入ると広告がおいてありました。
見てみると、その中に荷物の移送サービスが。
峠越えが楽にできます。と、謳ってあります。
今外は雨。
そして明日の天気も確か雨。
お値段は1000円、とちょっとお高いですが…
ザックなしで歩ければ大変ありがたいです。
次の宿までの移送を頼みました。
で。
次の日の朝。
窓の外は曇天。
小雨が少しぱらつくようですが、天気予報も曇りです。
朝飯を食べて、持ってく荷物の準備を済ませてザックを預け、宿を出ました。
あれ。
荷物がなくて、曇天の涼しい気候で、今日はお寺参りもない。
なにこの最高のシチュエーション。
…ていうかこれ、ただのトレッキングです。
いや山だけじゃないですし、ウェストポーチに注文したおにぎりまで持って、これは…むしろ遠足?
何だか不思議な感じで1日がスタートです。
出だしは降ってるような降ってないような微妙な天気。
でも空も明るく、午後は上がるということだったので、菅笠があれば何とかなるだろう、と傘は持たず。雨具の上だけ腰に巻く装備にしました。
まずは町中を突き抜ける県道に沿って、真っ直ぐ西へ。
通学中の徒歩の小学生や、自転車の中学生とすれ違います。
「お遍路さん、仕事はいいの?」て聞かれたらなんて言おうかな…。
「うん。遊んでる(  ̄▽ ̄)」としか言えないような。
まあでも当然、そんな質問をされるわけもなく。
元気のいい挨拶や、恥ずかしいけどするのがいいこと的に指導されてるから取り合えずな挨拶、素通りなど子供も色々。
どれも微笑ましい。
国道と合流し、町ゾーンを抜け、
しばらくはこの国道56号沿いをひたすら一直線。
登り道を2時間ほど歩くと、海が見えてきました。
海水浴場もあるみたいですね。
下って行くと漁港が。
この辺りで峠道との分岐です。
このまま海岸に沿って国道を行くこともできるのですが、何せ手ぶらですし、せっかくなので旧道の峠道を選択しました。
住宅地を川沿いに抜け、山の方へ人通りと逆行しながら歩きます。
どこも変わらないといえば変わりませんが、またこんな感じの道。
際頂で標高500メートル、峠道全体では登り下りで約10kmの道のりです。
荷物はないので楽勝かなー、と思いきや、きついものはきつい。(^。^;)
登りと下りが3:7くらいなので、登りはわりと急です。
ぜーはーいいながら登っていきます。
昨日に引き続き、薄ぐらーい誰も通らないような林道。
多少は心細いかなあ。
昔、山道を歩く旅人がこんな感じだったかもしれませんね。
昔だったら、山賊や追い剥ぎが出たらどうしよう、みたいな感じだったんだろうな。
そして登ってて、気づいたことなのですが、登ってる最中に余計なことを考えなくなりました。
前は長い山登りがあると、ストレス値が上がるせいか、意識が内側に向いて、自分や他人や出来事や記憶に、あれがどーだ、あの人はどーだ、あーすれば、そーいえばあの時は…とか、負の、というよりは我の色濃い考えがよく浮かんでたのですが、それがなくなっています。
高知辺りの山登りの時は特にそんな感じで、そーいうのが角栓みたいに、にゅるっと体から出てくる度に、掴んでスポんっと抜いて道端に捨ててたのですが。
こんな感じ。
え?ポイ捨てするなって?
大丈夫です。
あいつら日光で消滅するし、水に溶けるので。
で捨ててきた成果か、頭の中というか体の中がすっきりしている感じ。軽いというか。余計なものが落ちたような。凄い。全然出てこない。
登り道をただ無心に登りました。
やがて峠らしきところに着きましたが、暗かったので、休まずそのまま前進。
もう少し行ったら、初めて視界の開けた場所に出ました。
ここでお昼休憩。
また電波は通じませんね。
そこから見えた眺め。
海を見ながらおにぎり食べました。
食べ終わって、また下り。
陽が射してきました。森が表情を変えます。
普段はひたすら曇りを祈ってる私ですが、やはり多少ほっとするものがあります。
でもまたすぐ曇りましたが。
下れ下れ~。
ちなみに、この日はけっこう風があって涼しかったのですが、風の吹き方が、なんかこう、通り道があるんですよね。
自分のいるところには吹いて来なくても、少し離れた、あるいはすぐ近くの木の上を、ざざーっと強い風が吹き抜ける音がする。
まるで何物かが移動しているかのよう。
昔の人が、こういう風の動き方を見て、天狗を想像したことが理解できる気がします。
下ります。
木材かな?
まだ下ります。
~続く