「えー!? 真里奈、今日合コンなの??」


「ちょっと、琴子っ しーっ


急に真里奈が声を潜めろと威嚇してくる。


いや、そんな大声で話したりなんかはしてないハズと周りを見たら、そこそこのメンバーがこっちを注視してた。


「ごめん、ごめんあせる


慌てて謝り、でも船津先生は?と聞いたらそれが嫌だから行くんだと言われ、そっかと頷いた。


けど、同じ事を入江くんにされたらと思うと何か急に涙が込み上げてきた。


「ひ、びどぃ。あたしと言うものがありながら・・・」


「お前な・・・むかっ


どこから聞いていたのか、入江くんが登場して呆れた声を出す。


「びづがら・・・!?」


「お前が顔を伏せた辺り」


どこからか分からないけど、想像した頃らしい。

 


「ねえ、入江くん」


「合コンには行くなよ」
「行かないわよっむかっ


あたしはいつだって入江くん一途なんだから!!


「急に妊婦のお前が行くなんて言ったら、周りが慌てる」


そう言われて大きくなった自分のお腹を見る。


「・・・確かに」


「入江くんも行かないでね」


「行くわけがない」と即答されて嬉しかったけど、周りの「はぁ~~~」のため息はいただけないと思うのっむかっ


「そんな時間があるなら本を読むか論文書いてるな」


「ねえねえ、どんな本!? 妊娠出産の!?」


冗談で聞いたら「そっちもだな」とあっさり言われて、周りに悲鳴を上げさせ、ナースコールを多発させた。


モトちゃんに「早く琴子は帰りなさいっむかっ」と叫ばれ、慌てて更衣室に向かう。


入江くんも近くまで着いて来てくれて、本当妊娠して良かった~。


いつの間にか着替えたのか、真里奈が化粧を直していて、本当に合コンに行っちゃうのかとなんか悲しくなって聞いた。


「ねえ、本当に合コン!?」


「仕方ないでしょ、私だけ医者と知り合うなんてズルイと高校時代のメンバーからしつこく連絡来るんだもの。船津先生には言ってあるから、余計な事しないでよっむかっ


真里奈は軽そうに見えてもきちんと筋を通す。


玉の輿を狙ってても、その先の結婚を見据えて、ただお金持ちと遊べたら良いという甘い考えは持ってない。


料理も上手だし、身に着ける物もお金かけてるし、意外と常識もあって勉強も出来る。


劣化版松本姉みたいな感じ。昔はどっちも嫌味の権化だったけど、今は友達だし・・・。


「なんか・・・合コンで出会うのってさ、良くない感じがしてね」


「それは琴子だからでしょ。あんた酒癖悪いし、入江先生と比べるしで、最悪むかっ


カチンと来たけど、実際そうだから何も言えない。


「今だって迎えに来てるんでしょ。待たせたら後が怖いわよ」


「そーだったあせる


慌てて更衣室のドアを開けると、入江くんが本を読みながら待っててホッとする。


「お待たせ、入江くんラブラブ


入江くんが本を閉じて携帯の電源を入れると、急に電話が鳴りだしドキドキする。


も、もしや・・・


「はぁ~、こーなると思った。品川を呼んでくれむかっ


入江くんが更衣室に居る真里奈を呼んで来させて、真里奈に入江くんの携帯を突きつける。


「船津にお前から断りを入れろよ。俺は夜勤変わらないからな」


あっそーゆーコト!!


入江くんの携帯を使って、二人の痴話げんか(?)を見届け、無事に帰宅したあたし達だった。


「ねえ、入江くん・・・」


「俺は合コンには行かない。もう学生時代でコリゴリだからな」


学生時代って何かあったっけ??


よく分からないけど、妊娠中に浮気するパパじゃなくて良かったねとお腹に話かけ、うっかり入江くんに睨まれたあたしだった。

 

* * *

本日が6月最終日だと今日気づいた滝汗

本当、月日が経つのは早いわあせる

熱くて何も考えられず・・・。たまにはイリコトさんをデートでもさせようと思ったんですが、こうなりました。

おうちが一番好きな二人ですてへぺろ