「あー、今日も雨だー」とつい口にしてしまうのは、あたしの悪い癖。
雨が嫌いって訳じゃないけど・・・いや、嫌いかな!?
というか、やっぱり面倒くさいよね、雨って・・・。
「じゃ、みーちゃん。このカッパ着て・・・」
「イヤッ」
なんと、成長の早いみーちゃんは幼稚園年少でもうイヤイヤ期発動!!
「え!? 可愛いでしょ、このカッパ」
「まあ、カッパだしな」
そう、見た目も名前も見事にカッパ!!
カッパの河童で名前も見た目も可愛楽しい品なのに、みーちゃんは着ないという。
「えー!? 雨なのにぃ~」
「みーちゃんはもっと大人なの着るの!! 美麗ちゃんはレイコートって言ってたもん」
「レインコートな、琴美」と訂正するけど、入江くんは手早く琴美に河童ならぬカッパを着せる。
「後で買ってやるから、今日はコレ着て行け。準備がないものを急に言われても無理だ」とバッサリ言う。
そこは入江くんの良いところではあるけど・・・子供には酷なんじゃ。
と、思ったら、みーちゃんはあっさりと「うん、約束」と小指を差し出してた。
それでいいの、みーちゃん??
準備が出来たみーちゃんと手を繋ぎながら外に出て、本当に良かったのか聞いたら「うん?」と不思議そうな返事が返ってきた。
あたしの聞き方が悪かったのかな!?
あまり覚えてないけど、ミレイちゃんとやらのレインコートを確かめねばと思ったら、みーちゃんみたいなユニークな怪獣のカッパ着た男の子がみーちゃんに近付いて「おはよ」と声をかけた。
「ゆーじ、おはよ」とみーちゃんも挨拶を返す。
「琴美ちゃん、おはよ」と同じクラスのカッコイイ男の子な小西太一くんもみーちゃんに挨拶してきた。
あっあの子、祐二くんだ。かっわいいー
「やっぱり琴美ちゃんはカッパなんですね」と太一くんママは笑う。
あたしも愛想笑いをしながら「そ、そうなんですー。でも、ミレイちゃんのレインコートが」
「ママ、あたしやっぱりコレ着る!!」とみーちゃんが宣言した。
「え!? どーして??」
意味が分からず、戸惑ってるとミレイちゃんらしき女の子が表れて「琴美ちゃん可愛い、似合ってる」と褒められてしまった。
ま、まあ、みーちゃんに似合うから着せてたんだけどね??
「本当は祐二に河童を強請られて探したんだけど、無くて怪獣になっちゃったの。どうしても琴美ちゃんとお揃いにするって言うから、琴美ちゃん分も買ったから・・・良かったら着ない!?」と何故かカッパのお裾分けまでされてしまった。
こ、これはもしや、うちも河童のお裾分けをすべき??
「フフッ 子供って可愛いわね。その点美麗はブレないわ」とミレイちゃんママは言う。
本当に美しい子だ。子役モデルの見本みたい。
「太一もブレないわよ」と太一くんママが言う。
太一くんは見事にカラーレンジャーな赤のレインコートを着ていた。
「これってパンダイ製!?」
「さすが琴子さん、詳しいわね」と喜ばれたけど、意味はさっぱり分からなかった。
(小西さんは昔の知り合いだけど、琴子は気づいてません)
あたし、カッパ評論家じゃないんですけど~~~
* * *
取り敢えずノルマ完了 毎度ダメだダメだとやりつつ、なんとかこなしてます
昔の話の兼ね合いがあって、読み直さないと矛盾がやまほどありそうな・・・。
整理せずにもう2年くらい経つのかな!? 魔窟が広がる。。。